退屈な日常を生き抜く |
- 01: 名前:無名作家投稿日:2018/12/27(木) 05:11
-
「あなた、お仕事頑張って。」
「春子も。」
自分達の住んでいるアパートの前で、軽くキス。
「春子。」
「何?」
「顔。赤いよ。大丈夫?」
「そう?大丈夫よ。心配してくれありがとう。」
「良かった。それにしても、春子の鞄大きいね。じゃあ。」
夫の爽やかな微笑み。私は、それを見て安心する。
私は南へ、夫は北へ行く。
近所ではオシドリ夫婦で有名。
しばらくアスファルトの道路をヨロヨロと歩く。春の爽やかな風。舞い散る桜の花びら。
それとは対照的にドクドクとした欲望が体中を渦巻いている。
ーはあはあ。
ゆっくりと歩いているのに、体が火照っていく。汗も吹き出し、唇から涎がとめどなく流れる。
ー大きいものを入れていると、歩きづらいわあ。
私は、途中で、ガクッと腰を下ろす。
ーもう限界。
近くを通る50歳くらいのサラリーマンに、声をかけられた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。」
サラリーマンは怪訝な顔して、離れていった。
私は休憩がてら鞄からスマートフォンを取り出す。
メールを起動する。
「7時20分発の3番目の車両で待っています。あれは入
<省略されました> [全文を見る]
-
-
|
|