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  欅坂エロ小説

715: 名前:作者投稿日:2017/07/09(日) 15:58

我々がトイレから出て行くところは、誰にも目撃されることはなかった。
京子とは、今夜また会うことを約束して別れた。
その後の二本撮りも無事終了し、あとは帰るだけとなった。
収録の最中、何度も目が合っていたねるが、こちらに駆け寄ってきた。

「終わったぁ」

「お疲れさん。今日も可愛かったじゃないか」

「何回も目、合ったね?」

「それは気のせいだ」

「もぉ、またそんなこと言ってぇ」

「ねるもそうだが、お前の真後ろの子が気になってね」

「真後ろ?」

くるっと席の方を振り返る。
ぞろぞろと退出する子もいる中、つい数十分前に交わったばかり史帆と談笑している女の子を指差した。

「あの子?」

「そうそう」

ああ、と小さく呟いたねるは、元の場所へ駆けていった。
二人はねるの方に顔を向けた。
ふと史帆と目が合うと、小さく手を振ってきた。
少々ヒヤッとしたが、ねるに気付かれることはなかった。
二言三言何か言葉を交わしたかと思うと、その子を連れて戻ってきた。

「連れてきたよ。潮紗理菜ちゃん」

「あ、あの、はじめまして…あっ、はじめましてじゃないか。えっと…」

挨拶で一回会っているが、まともに顔を合わせたことはなかった。
それでも、俺のことを頭の片隅に置いてくれていたらしく、「はじめまして」を慌てて訂正したらしい。
しどろもどろになっている紗理菜を、ねるが落ち着かせる。

「どーどー。落ち着いて」

「紗理菜ちゃんとはあまり話した事がなかったな。インドネシアに住んでたんだって?」

「はい!そうなんです」

「ひらがなけやきは、海外に住んでいた子が多いんだな…もっと話を聞かせて。歩きながら話そうか」

「はい!」

「ちょっとー。ほったらかしにしないでよぉ」

膨れっ面のねるが、腰に両の拳を当てて、怒ってるポーズをした。
後から来た史帆が笑う。

「ふふふ、ねるちゃん嫉妬してるー」

「違う!そがんじゃなかとよ」

ねるはふとした拍子に、故郷である長崎の方言が出る。
方言を話す女の子が特別好きというわけではないが、可愛らしいとは思う。

「二人も一緒に行こう」

二人に声を掛けると、ねるは俺の左腕を強く掴んだ。
まるで幼子のような仕草に、思わず苦笑した。

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