欅坂エロ小説 |
- 532: 名前:作者投稿日:2017/05/22(月) 12:23
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数日後、収録現場の控え室から、葵の泣き声が洩れ聞こえてきた。
何事か、と覗いてみると、半べそをかいた葵が駆け寄ってきた。
「どうしたんだ」
「うぇーん、あかねんがまた冷たくしてくるぅ!」
「えぇ?」
先日、あれほど鳴かせたのに、まだ懲りずに葵イジりを続けているという。
俺はポカンと口を開けてしまった。
当の茜は、涼しげな顔でスマホを操作していた。
茜に近寄る。俺に気付けてニコリと微笑む。
「あっ、お兄ちゃん。やっほ」
「やっほ、じゃない。どういうつもりなんだ」
「ああ、葵のこと?」
スマホを置いて、茜はため息をついた。
「あのね、別に葵のこと、いじめてるわけじゃないの。そこは誤解しないでほしいな。それにさ…」
そこまで言うと、茜は俺の首に腕を回した。
「こうしたら、また私のこと、いじめてくれるんでしょ?」
「えっ?」
いきなり艶のある声を出した茜に、俺は驚いた。
というより、困惑していた。
こんな流れになるとは思いもよらなかったからだ。
「ねえ、いじめてくれないの?」
そう言う茜の目は、危険な光を湛えていた。
女王の屈服 終
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