欅坂エロ小説 |
- 214: 名前:作者投稿日:2017/01/08(日) 02:34
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恋慕の加速
朝食を済ませた俺は、自室に戻って着替えていた。
その傍で、渡邉理佐はソファーに座ってそれを眺めていた。
「昨日の理佐は激しかったな」
「ちょっと、それみんなの前で言わないでよ。特に葵の前では」
理佐は唇を尖らせた。
「わかってるって。それにしても、なんでお前は葵にばっかりそんなにきつく当たるんだ?」
「だって、うるさいから」
「じゃあ、嫌いなのか?」
「そうじゃないけどさ」
「なら、もう少し優しくしてやれ。あいつだって、お前と仲良くしたがってるんだ。前の俺みたいにな」
俺が言うと、理佐は口を噤んだ。
理佐にとってそれが大きな壁であることは、俺もよくわかっていた。
葵とは、俺よりも多く共に時間を過ごすことになるのだから、尚更だ。
しかし、その壁もいつかは自分から壊さねばならない。
葵の本当の気持ちを、理佐が理解していないはずがないのだから。
「でも、お兄ちゃん。葵は本当に鬱陶しくてウザいんだよ」
「理佐にとってはそうかもしれないがな、それは葵なりのアピールなんだよ」
「…お兄ちゃんには、私の気持ちはわからないよ」
「わかるさ」
スーツに着替え終えた俺は、理佐の隣に腰掛けた。
理佐の顎を優しく摘んで、くいっとこちらに向けた。
その瞬間、パシン、と手を払われた。
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