鼻ニンニク合コン伝説 |
- 04: 名前:名無しさん投稿日:2014/01/24(金) 13:05
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その日、鼻ニンニクこと柏木由紀は胸の高鳴りを抑えるのに必死だった。
理由は夜に予定されている合コンであった。
これまで自分の地位を守るためそういった誘いにはすべて断っていた。
だがしかし、メンバーの不祥事が相次ぎ、果ては多くのメンバーが卒業していった今、総選挙で三位の彼女には余裕があった。
クビにしてみるなら、してみなさい。
そんな気持ちがあり、週刊誌も上の人間も怖くなかった。
AKBINGOの収録も上の空で臨み、迎えた待ち合わせ時刻。
柏木は後輩の島田遥香と中村麻里子を連れ、待ち合わせ場所にいた。
自分よりもブスだと思っている二人を連れている柏木はまさに腹黒そのものであった。
「遅いですね」
「島田うるせーよ。黙って待っとけ」
「柏木さんキャラ違くないですか」
一言言っただけなのに島田は注意されてしまった。
柏木のピリピリとした雰囲気に中村が突っ込むも無視をされてしまう。
二人は入念に手鏡で化粧をチェックする柏木から距離を取った。
「すみません、遅れました」
と、男性陣が来た。
柏木は満面の笑みを浮かべる。
「初めまして。私、柏木由紀と申します」
「知ってますよ。テレビで見るよりも断然きれいですね。なあ沈黙」
沈黙と呼ばれた男はすでに泡を吹いていた。
「気絶しやがったか。コイツ柏木さんのファンで」
「そうなんですか。嬉しいです」
わざとらしくピョンと跳ねる柏木。
パットを詰めに詰め込んだ胸が揺れる。
そうすると男性陣から「おおー」という声が上がった。
「とりあえず自己紹介しますね。俺は漆黒っていいます。で、気絶してるのが沈黙で、もう一人が牛丸Zです」
「みいちゃんなんでおらんのや……」
「気にしないでください。コイツ峯岸さん推しなんで」
「そうなんですか。残念ですね。こっちは島田と中村。そして私になります」
「じゃあ予約した店に行きますか。ほら沈黙、行くぞ」
こうして男女六人は漆黒が予約した居酒屋へと向かった。
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