満月の夜、照らされた二人 |
- 01: 名前:Parade◆Ixy9nLcA投稿日:2013/09/16(月) 11:28
-
リクエスト・要望は一切を無視いたします。
- 02: 名前:Parade◆Ixy9nLcA投稿日:2013/09/16(月) 11:29
-
ハザードランプを点滅させながら停車する軽トラックの中には、今は誰一人乗っている気配はない。
それどころか、まるで最初から人がいなかったかのように変わらずに光り続けるランプが恨めしく思われた。
「動いてくれよ、答えてくれよ。……おい! 返事しろって!」
彼女を抱き上げる手が、少しずつ赤く染まっていく。生きていることを証明するように生温かいそれは、止めどなく溢れていった。
交通量の多い交差点の中心にいるというのに、誰一人として助けてくれる人などいない。誰もが見て見ぬふりをして、足早に通り過ぎて行ってしまう。
駆け寄って肩を支えてくれる人もいなければ、救急車を呼んでくれる人さえいない。絶望というより、ただ単に虚無感が募る。
日本人が心が温かいなんて言ったのはどこの誰だろうか? 今僕の置かれているこの状況に実際に陥ってみて、その人は同じことを胸を張って言えるだろうか?
誰なのかわからない人に対して一抹の怒りを抱いている間にも、彼女の体からは赤黒い血が流れ出し温かさが失われていく。
――あぁ、死ぬんだ。彼女はもう死ぬんだ。
<
<省略されました> [全文を見る]
- 03: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/16(月) 23:01
-
Smileさん
新連載がんばってください!
- 04: 名前:Parade◆Ixy9nLcA投稿日:2013/09/18(水) 23:35
-
>>3の名無しさん
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
- 05: 名前:Parade◆Ixy9nLcA投稿日:2013/09/18(水) 23:36
-
色彩を一切持たず、重苦しい灰色をした建物。いくつかの窓は確認できるものの、そのすべてにカーテンがかけられているようで、光は漏れ出していない。
これからこの場所で彼女の最後を身届けるというのに、外から見上げるとどこかおぞましいと感じてしまう。
初めてこの場所を訪れたせいなのか、はたまた唯一無二の恋人を無くしたばかりのせいなのか。どうしても、心に浮かぶ疎外感を拭い去れない。
感情のはけ口を見つけられないままに、僕は荒々しく髪をかきあげた。
「吉川さん、そろそろお時間です。お戻りになってください」
もういっそのことこのまま戻らずに逃げてしまおうかと考えていた矢先に聞こえた声。
見上げた視線を前に戻すと、そこには一人の女性が立っていた。彼女に似たその風貌は、僕の二倍以上年を重ねているというのにやはり美しい。
葬儀場と同じように一切の色彩を断ち切った黒の喪服に身を包んだ姿は、とても一人娘を無くした母親には見えない。
「分かりました」
「あなたもあの子の姿を見るのはさぞ辛いでしょう。でも、だからこそ、ちゃんとあの子を見送ってあげてね」
<省略されました> [全文を見る]
- 06: 名前:虎舞竜投稿日:2013/09/21(土) 18:49
-
俺を称えろ
- 07: 名前:Parade◆Ixy9nLcA投稿日:2013/09/30(月) 22:43
-
目の前に見えるのは、花に囲まれた中で満面の笑みを浮かべる最愛の人。
真っ白な死装束よりもさらに白い肌が目に飛び込んでくる。もとから血色の好いほうではなかった彼女は、さらに色を失っていた。
周りを白い花々に囲まれている写真の中だけで彼女は色を持っており、それがさらに青白さを際立たせた。
だけど、そんな姿でさえ彼女はとても綺麗で、まだ生きているのではという錯覚さえも抱かせる。
今にも「嘘だよ!」と、いつもの笑顔を浮かべておもしろそうにそう言うような気がした。
だけど実際には彼女は全く動かなくて、何一つ僕には告げてくれない。
死んでいるのだから当然と言ってしまえばそうなるのだが、僕にはそんな簡単な解釈さえ出来なかった。
僕は別に精神狂乱者でも、非常識者でもないが、時には常識にのっとった判断が出来なくなる時もある。
今がちょうどそのときなのだと、その点だけやけに冷静に僕は感じていた。
規則的なリズムを刻む木魚の音や、僕の背後ですすり泣く彼女の両親の声が僕の耳へと届く。
彼女が死んでいるのだという実感を抱かせるそれは、止まることなく
<省略されました> [全文を見る]
- 08: 名前:果汁クソ%投稿日:2013/11/07(木) 19:11
-
クソかもしれねえ
カスかもしれねえ
誰も読んでくれてねえかもしれねえ
けどよ
スレを建てた以上最後まで書くのが男ってもんじゃねーのかなあ
- 09: 名前:名無しさん投稿日:2013/11/28(木) 21:41
-
続き読みたいです
-
-
|
|