もう一人の自分 |
- 01: 名前:ひいらぎ投稿日:2013/08/12(月) 23:47
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更新は不定期ですが、がんばります。
暖かい目で見守ってください。
※この話はフィクションで、実際の人物、事件、団体とは何ら関係ありません。
コメントくれると嬉しいです。
- 02: 名前:ひいらぎ投稿日:2013/08/13(火) 00:00
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第一話 7月10日 朝 山田菜々
目覚ましの音でウチは起きた。
相変わらず耳障りな音を鳴らす目覚ましのボタンを叩き、改めて静かな朝を迎える。
一軒家の二階の私の部屋から空が見える。
今日は雲が太陽を隠しているようで、気分も少し落ちた。
制服を着て、軽く化粧して、ドアを開く。
一階からは一日の始まりを再確認させてくれるような朝食の匂いが漂ってきていた。
これだけでお腹いっぱいになるような気もするけど、エネルギーの補給と考えれば食べざるを得ない。
ウチは意外と急な階段を駆け下りて、エネルギー補給をしに行った。
一階では相変わらず仲の良い両親が話していた。
焼きたてのパンに目玉焼きがあっていかにも洋風な雰囲気を醸し出している。
手を合わせると、母の声が後ろから聞こえた。
「あ、菜々。おはよう」
「おはよう」
顔をあげたついでに時計を見やる。
その時計はもう、7時半を指していた。
「あかん!」
ウチはそう叫ぶとお茶だけ口に含み、二階に駆け上がった。
そろそろ、彩が迎えにくる頃なのだ。
案の定、階段の窓
<省略されました> [全文を見る]
- 03: 名前:ひいらぎ投稿日:2013/08/13(火) 18:22
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第二話 7月10日 朝 山田菜々
下から何かを焼く音が聞こえる。
その音でウチは起きた。
目覚ましはかけ忘れていたようだけど、遅刻はしなさそうで何より。
学級委員長の私が遅れたらあかん。
そう考え、遅刻した自分を思うと、背筋がぞっとした。
髪を直して、顔も洗い、軽くメイクもする。
最近、美優紀に教えてもらってやり始めた。
制服を着ると目が覚めた。
自然とスイッチが入るというか、なんば高校の生徒という自覚が生まれる感じ。
背筋もすっと伸びて、お嬢様学校としての名に恥じない容姿だと嬉しい。
肩を回して、再びすがすがしい朝を感じる。
ウチは朝ごはんを食べに一階に降りることにした。
一階はいつ何時も雰囲気が悪い。
どんよりとした重苦しい空気が溜まっている。
ウチが入って行っても変わることはなくて、自分でもその雰囲気に慣れてしまっているのが怖い。
「おはよう」
「おはよ……」
私から挨拶しても、元気な声が帰ってくることはあまりない。
親がそれぞれの楽しみで満足した時だけだ。
夜にでかけて行く親の姿を私は何度見たことだろう
<省略されました> [全文を見る]
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