ダレも知らないオレの顔 |
- 31: 名前:ジョックロック投稿日:2013/09/17(火) 01:49
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翌日…
いつものようにアラームで目を覚ます匠。
昨日はあれから数回のメールをした。
同じ2年生ってこと、福岡から編入して来た事など
少しの情報も得る事が出来た。
なにより匠は久々にメールのやり取りをする事が出来たのが
感動だった。
いつものように仮りの姿に変身をし、
時間に猶予を持たせる。
そしてなんとなく五つ置かれた封筒の一番上を開けてみた。
報酬という名のファイトマネーは10万円入っていた。
「10万か……」
普通の学生だっら飛んで喜ぶはずの大金も、
感覚が麻痺している匠にとってはちっぽけなモノにしか思えなかった。
封筒にお金をしまい、財布には2千円ほどを残し家を出た。
- 32: 名前:ジョックロック投稿日:2013/09/17(火) 02:45
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飲食の自由がある高校生は、
朝からパンやおにぎりを平気で食べる。
朝のホームルーム前にはパックの飲み物にストローを刺し、
輪になって騒ぐ上の位の生徒達が集団で群れている。
いつもはうるささに教室を出て行く匠だが、
そんな事も気にせずに、妹尾からの「おはよう」でさえも
「あ…うんおはよう」
と返せるようになっていた。
妹尾が訝しみながら二度見をしたのも滑稽に思えた。
(なんだろうな…舞い上がってやがる…)
自分でも分かるくらいなんだから相手に伝わらないわけがない。
それさえもどうでもよくなる。猫背が浮きそうになるのには
流石に気づいたのだが……。
- 33: 名前:ジョックロック投稿日:2013/09/17(火) 03:07
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4時限目が終わり、待ちに待った昼休み。
昨日の衝撃的な出来事が頭に浮かんで来る。
深々と頭を下げた所とあの声がフラッシュバックする。
自分にバーカと罵りながらも、
少しの淡い期待を胸に学内食堂へと向かう。
しかし、曲がり角には彼女の姿は無かった。
(ま、そりゃそうだよな〜)
分かりきってはいたが、
曲がり角を尻目に食堂へと歩く……。
食堂は腹を空かせた生徒達で溢れ返っていた。
「早く来すぎたかな…まだ時間あるし…ちょっと引くのを待とうかな…」
匠はそう考え、一旦引き返す事にした。
紙コップの自動販売機でジュースを買うと、
ガヤガヤした自分の教室を見ながらそれを飲み干した。
そしてぼんやりそれを見ていると、
あっ!と何かを思い出した。
(そういえば…あのコが俺にひっかけたのって…紙コップだったよな?
匂い的に…炭酸の何かだった気が……)
昨日の出来事が鮮明に蘇り、
シメには彼女の謝罪がよぎった。
- 34: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/18(水) 18:20
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コイツからエロを抜くとこんなにもコメントが来なくなるもんなんだな
- 35: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/19(木) 22:00
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オラア!
- 36: 名前:果汁クソ%投稿日:2013/11/07(木) 19:13
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クソかもしれねえ
カスかもしれねえ
誰も読んでくれてねえかもしれねえ
けどよ
スレを建てた以上最後まで書くのが男ってもんじゃねーのかなあ
- 37: 名前:ジョックロック投稿日:2014/01/10(金) 02:21
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賑わいを見せていた食堂も、昼休み終盤になれば
落ち着きを取り戻してくる。
匠は売れ残ったパンと唐揚げ棒を頼み
席についた。
今日は幾分自分に余裕がある。
少し辺りを見渡してみるとうちのクラスの大人しいコも
細々とお弁当を食べていた。
ピンクの容器とばば臭い風呂敷が目についた。
(ま、別に興味ないや…)
メガネの縁を手で上げるとパンと唐揚げ棒を平らげ、
自分のクラスへ戻る事にした。
むりやりな猫背は背中が少し辛いが、
今は『陰』の匠の為我慢するしか他ない……。
- 38: 名前:ジョックロック投稿日:2014/01/10(金) 09:48
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教室につき、椅子に座るとあまり使わなかった左ポケットに腕を突っ込んだ。
メールが届いていた。
昨日の今日なので見なくとも予想はついていたが
案の定谷だった。
今日は暇ですか?という簡潔な内容のメールに目を通し、
暇です。とだけ返した。
なんで?どうして?を聞き返せばまわりくどいだろう
そう判断しての匠なりの配慮だった。
敬語に敬語で返すあたり、
匠には壊すべき壁が多いと感じる。
数分後にメールが帰ってきた。
なら!今日任務を遂行したいと思います!!
任務を遂行という文を見て匠も少し噴き出しそうになってしまう。
- 39: 名前:ジョックロック投稿日:2014/02/02(日) 15:35
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放課後、指定された場所に行く。
学生カバンで股の部分を隠しながら下を向く女の子を見つけた。
谷だろうか…?
ただ自分から声を掛ける気になれない。
なぜなら間違った時に言い訳をするのが面倒くさいから。
「あ!叶さん!」
聞き覚えのある声がして振り向くと
手を振りながら谷が歩み寄ってきた。
匠は、声を掛けなくて良かったとホッとした。
その女の子はその声に気付き、どこかへと行ってしまった。
「じゃあまぁ…とりあえず帰りましょ!!」
「あ…はい…」
陰らしく敬語で、返す匠。
しかし当人はそれを気にする事なく
歩き始めた。
匠も後ろをついていく。
自信なさげに背中を丸める地味なキャラと、
背筋をピンと張り世間体なんか気にしないと言ったように前を向く黒髪少女。
まわりからみれば対という言葉がこれほど似合うこともあまりないだろう。
- 40: 名前:ジョックロック投稿日:2014/02/07(金) 04:13
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「えっと…お腹とか空いてます!?」
彼女は振り向きざまにそう質問を投げかけた。
「少しくらいは……」
本当は学食でまともに昼をとってなかったから
少しどころでは済まないのだが、匠はそう言った。
「じゃあ〜……」
彼女がそう言って提案した先は、
ファーストフード店だった。
周りも学生で盛況しているようで、
学生の放課後という感じが満載だった。
「何にします?奢りますよ!」
「いや…だから女の子に奢られるのは…」
「でも〜……あ、じゃあLのポテト代金出すので
一緒に食べましょう!これなら文句無いですね??」
「は…はぁ…」
彼女はよしと手を叩くと、財布を持ってカウンターへと向かった。
「あれ?あいつもしかして叶?」
そんな声が耳に入ってきた。
「え?あのコと叶!?…いやいやないない」
なんかムカついたが、
匠は丸めた背筋を伸ばし掛けて自制した。
相手にするだけムダだという事を唱えて、
注文を待つ谷を待つ事にした。
- 41: 名前:ジョックロック投稿日:2014/02/10(月) 03:18
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ちょっと経ってから
お盆に頼んだものを乗せて帰って来た彼女に会釈する。
「いやいやラッキーでしたね!」
開口一番に谷はそう放った。
なんのことか分からないのでポカンとした顔で彼女を見ると
彼女はドヤ顏で、
「ポテトLよりちょっと多くしてくれたんですよぉ」
とニヤニヤしながら言ってきた。
「あ…そうなんだ…」
匠がそう返すと谷は
「いやぁ〜友達っていいものですね〜」
なんて言いながらポテトを口に運び始めた。
彼女が自分で課した任務とやらは
匠が得というよりは、彼女が得をしている気さえした。
「あちゃ〜…今月も給料底を尽きそう〜」
とにかく彼女は独り言が多い。
構って欲しいのか、癖なのかは分からないが
とにかく沈黙が訪れなかった。
「あの〜…」
「ハイ!なんでしょうか!」
「谷さんは…バイト何をしてるの…?」
匠がそう質問すると、彼女は
「売り子です!売り子!」
と言いながらポテトを掴んだ。
「売り子…」
「お陰様で声が大きくなりましたよ!」
「たしかに…声大きいよね」
<省略されました> [全文を見る]
- 42: 名前:ジョックロック投稿日:2014/11/04(火) 07:15
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「そろそろ出たいな…」
匠は後ろからのバカにされてるようなヒソヒソ話と
自分のせいで目の前の女の子が後で何を言われるか。
二つの理由から空になった箱とトレイを持つ
「え?もうですか?どうしよう〜まだ何も返せてない〜」
「いや…もう本当十分だから…ごめんね本当に」
「なぜ謝られるのですか!?謝るのは私のほうですよ」
「そんなことないよ…もう本当に気にしなくていいからさ
これ以上僕といてもなんのメリットもないから…」
匠はトレイを片付けると荷物を持ち外に出る。
自動ドアがしまりかけて、また開いた。
そして隣にはバッグを背負った黒髪の女の子…
「私!メリットとかデメリットとか…
そんなこと気にしてませんから!」
隣に来た女の子は目を合わさずにそう告げた。
「……。」
匠は返す言葉が思いつかなかった。
「聞こえてましたよ私にも…」
「……えっ?」
「でも私…自分が決めたからしてるだけなんですよ
別に嫌だとも思ってないしつまらないとも思ってないし
…そんなに悪い風に思い込まなくてもいいんじゃないです
<省略されました> [全文を見る]
- 43: 名前:ジョックロック投稿日:2015/02/25(水) 01:34
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「今日は…ありがとう…」
感謝の意を伝える匠。
猫背で髪もボサボサ右半分がメガネで見えない男にも
「いえ!まだ私は全てを返せてないですから!
叶さんさえよければまたこうして埋め合わせさせてください!」
そうハキハキと言葉を連ね、トドメにはニコッと笑う。
「いや…もうホントに…」
そう言いかけた所で、
「いや…こちらこそ…また是非…」
そう言葉を訂正した。
それを聞いた目の前の女の子はお辞儀をした後に
「それでは私はこのへんで」
そう言って手を振りながら帰路へと向かっていった。
- 44: 名前:ジョックロック投稿日:2015/02/25(水) 11:22
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確かに谷真理佳という女の子は
ズケズケと人のパーソナルゾーンへと入ってくる傾向があるが、
いつも表の世界では誰にも関心を持たれない空気の存在だった匠にとって
初めて同じ学校の人と時間を共有したという出来事が大きく
そんなことなど全く気にもしていなかった。
ただ、心残りがあるとすれば
陰の仮面を被ったままこのまま彼女に接し続けることだ。
自分が裏の顔を持っていると知った時
彼女は匠と交流を続けてくれるのだろうか…
今の匠には到底言い出せることではなかった。
そして、そんな匠をもう一人の女が
掻き回していくことは今の匠には知る由もなかった。
- 45: 名前:ジョックロック投稿日:2015/02/25(水) 12:01
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家に着き、縮こまった身体を伸ばした時
上司の梅田から連絡が来た。
「匠君…私だけど」
「はい…なんでしょうか」
「今は家かしら?」
「はい…ですね…仕事ですか?」
「いいえ…今日は仕事の依頼というよりは
お誘いを受けた…の方かな」
「誘い…ですか…」
「ヨシさんがね、たまには息を抜けっていうから…一応あなたに連絡をしてみたんだけど
そういうの…君は望んでないよね?」
匠は梅田にそう言われたが、普段からお世話になってる人から誘われた以上
断るわけにはいかなかった。
「ヨシさんでしたら行きますよ」
「……そう…なら君の家の最寄り駅までいくね
時間は20時くらいでいい?」
「はい。それまでには用意も済ましていきます。」
梅田から通話が切れたのを確認し、
匠はベッドに横になった。
- 46: 名前:ジョックロック投稿日:2015/02/25(水) 15:01
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19時50分…匠は駅前でタバコをふかしながら
梅田のカマロが到着するのを待った。
学生服姿のカップルが行き交う中
匠はレザージャケットにジーパン。
ガードレールに寄りかかって煙を空へと排出していた。
少しして、聞き慣れたエキゾーストの車が匠の後ろに停車した。
「待たせた?…それじゃあいくよ…乗って」
匠の返答など聞く耳持たず、梅田はそう催促をすると
匠を乗せて夜の街を走り出した。
「あれ…携帯いじってるの?」
走り出して五分ほどして珍しく梅田から話しかけられた。
「あ…はい…メール来たもので…」
「珍しいわね…私から来る電話しか来ないって言ってたのに…
まさか女の子かしら?」
「まぁ…そんなとこですね…」
匠がそういうと梅田は「ふ〜ん」といい
それ以降目的地に着くまではカマロのエンジン音と
風を切る音しか車内に起きなかった。
- 47: 名前:ジョックロック投稿日:2015/02/27(金) 11:22
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30分ほど公道を走っていると、
どうやら目的地に着いたらしい。
シュッとしたスタイルのいいお兄さんがカマロを駐車場へと案内している。
カマロの隣にはキャデラック、コルベットと外国の高級車が揃っていた。
「吉田は中におりますどうぞお入り下さい」
シュッとしたお兄さんはどうやら執事のようだ。
洋風の屋敷とマッチしていてカッコいい男だ。
中に入ると、既に何人もの同業者が話を始めており、
梅田と匠に気付いた家主が近づいてきた。
「お〜無事来れたみたいやな」
先ほどのお兄さんに負けず劣らずのスタイルで
キリッとした目が特徴的な色男だ。
「お久しぶりです吉田さん」
梅田は手を握り挨拶をする。
「梅ちゃんそんな緊張しやんと…ラクにしぃ」
ルックスとは裏腹にコテコテの関西弁で話すオトコ
名を吉田基樹と言う。
「匠!相変わらずブスッとしとんなぁ」
梅田と挨拶を済ますと今度は匠の肩をポンポンと叩きながら
笑って話してきた。
「そうですかね…あ、ヨシさんこの前はお世話になりました」
「あぁ〜そんなん構わんよ…俺の
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- 48: 名前:ジョックロック投稿日:2015/03/03(火) 04:31
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普段顔も合わせない大幹部もヨシさんの誘いとあって
姿を現していた。
梅田は男達が揃った所に呼ばれるとすぐに
そちらの方へ行き、匠は暇を持て余すしかなかった。
「パパ!……」
二階から降りてきた女の子が騒がしいフロアに来て声を大にして言った。
「おぉどないしたん?アカリ」
アカリと呼ばれた女の子はそこそこのおめかしをして
降りてきた。今日の事について知らされていたのだろうか
「ちょうどええ!アカリちょっとこっちきぃ」
「なんよ?」
女の子は言われたとおりヨシさんの元へ行く。
「皆さん!存じ上げているとは思いますがうちの長女のアカリ言います」
「吉田朱里です…パパがお世話になってます」
朱里はそう言うとぺこりと頭を下げた。
黒髪が垂れ下がり、頭を上げると整った顔の美人さんが現れ、
ニコニコと笑みを浮かべていた。
いやいやこちらこそ…幹部の男達が朱里に返事をするなかで
匠はヨシさんに言われたようなブスッとした顔で一連の流れを見ていた。
「そや!朱里…あそこに男がおるやろ?あいつお前と同じくらいの年齢やね
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- 49: 名前:ジョックロック投稿日:2015/03/04(水) 03:13
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「すぅーっ……ふぅーっ…」
タバコをプカプカ吹かしながら考え事をする匠。
もし自分が普通の生活をして普通の両親と平凡に暮らせていたら…
(ああいう風にニコニコ笑っておべっかつかってたのかな〜)
朱里を悪く言うつもりはないが、匠の考えにはトゲがあった。
幼くして両親というモノに見放されてしまった匠は
本当に幸せだと思える瞬間が限りなくゼロに等しい。
歯を見せ顔をくしゃくしゃにした笑顔をした覚えがない。
顔の筋肉が強張っているんではないかというほどに
匠は笑顔を見せない。その代わりに眉間には力が入る。
喜怒哀楽という表現があるが、
それは匠にはなく、あるのは真ん中を切り抜いた
『怒・哀』の方が多い。
吸い殻をトントンと落とすと、
騒ぎの中へ入ろうと足を向けた。
「ん?………」
が、足を向けた先には先ほど見た美少女を視界に捉えていた。
「あっ…大丈夫やで?パパには内緒にしとくから」
「ん?………あぁそういうこと…」
匠は朱里に一服していた所を見られた事を悟ると
地面に目線を向け、女の横を通り過ぎた。
「朱里
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- 50: 名前:ジョックロック投稿日:2015/03/04(水) 04:17
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大人が沢山いるフロアにいても
匠はやることがない。
梅田は大幹部に囲まれて楽しそうにしているし
匠を気にかける素振りもない。
「匠!暇なら朱里の部屋でも覗いてきぃ〜や」
ヨシさんも酒に呑まれてこの有様だ。
「なんならカイてこいや〜!」
匠がその意味がわからない事をいいことに
ヨシさんはそんな事を言いながら笑っている。
幹部もなんだか笑っているし梅田もヨシさんの事を見ながら苦笑してる。
匠だけがその言葉の意味を知らないようだ。
テーブルの上にローストビーフが並べられていて
匠はそれをフォークで刺して食べた。
「うまっ…」
思わず本音が出る。
女の子の部屋に無断で入なんて匠には出来っこない。
それを分かってて言ってくるからヨシさんは意地が悪い。
「ホンマうるさいねんけど」
朱里が小言を言いながらフロアに降りてきた。
「退屈やんな?一人でご飯食べるのも」
向かいのテーブルに座って朱里もローストビーフを食べだす。
「まぁうまいねんけどなぁ」
口元を手で隠しながら笑う。
「朱里は
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- 51: 名前:ジョックロック投稿日:2015/03/04(水) 14:31
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午前0時過ぎ、パーティは終わり匠は家で横になった。
谷とのメールが途切れてからは、携帯もならなくなり
やることをなくした。
パックに詰めてもらったローストビーフを素手で食べながら
今後のことをぼんやり考えてみる。
………が、頭が回らなかったのか
気がつけば眠りに落ちていた。
匠は夢をみた。
場所は学校…女から熱い視線を受けている
なぜだろうか?普段から全く注目を浴びたことはない
悪い注目のされ方しかされない匠が、
なぜか視線を浴びていた。
左肩が重い…何かにまとわりつかれている感じがする。
「たっくん!」
色白な素肌と関西弁、これは間違いなく聞いた声だ
「朱里………」
やはりそうだ。ヨシさんとこの娘…朱里がまとわりついていた。
「叶さん…」
前方にはこれまたはっきりと見覚えのある顔
谷真理佳がいる。
「谷さん…ごめん…君に迷惑はかけられない…
俺は朱里じゃないとダメなんだ…俺のためにも、君のためにも…」
意味のわからない世界で意味不明な事を言っている。
それを聞いて悲しそうなカオをする谷
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- 52: 名前:ジョックロック投稿日:2015/03/05(木) 02:43
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夢に出てくる人物がタイムリーだっただけに、
匠は頭を抱えずにはいられなかった。
時刻は6:30
まだ学校に行くには早い時間帯だが
シャワーを浴びて朝飯を買いにいく。
家にはシリアルがあるがそれだけでは流石に足りない
育ち盛りの匠は朝・昼・晩を摂ることだけは決めている。
しかしコンビニ弁当が大半を占めるのだが…。
こういう時、一般家庭は母親が父と子供の為に
毎朝起きてご飯を振る舞ってくれるんだろうなと
羨ましくなることもある。
母親との記憶はまだ小さかった匠には覚えているはずもなく、
唯一それが形として残ってるのが叔父の家にある遺影だ。
綺麗な顔立ちをした容姿端麗な母だったみたいだ。
ではなぜ自分の家に遺影を置かないのか…
それは匠にとってもなんの思い入れがないから…なのかもしれない。
実家はもう引き払って今は別の住人が住んでいるし
家族写真やアルバムも残ってはいないし
叔父にはDVも頻繁にあったとも聞かされている
それでもそんな叔父は身寄りがなくなった匠を嫌がることなく育ててくれた。
中学生までは本当の父親のように接してくれていた。
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- 53: 名前:削除(-"-メ)投稿日:削除(-"-メ)
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削除(-"-メ)
- 54: 名前:削除(-"-メ)投稿日:削除(-"-メ)
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削除(-"-メ)
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