『裕美子シリーズ』強姦された女医 |
- 01: 名前:名無しさん投稿日:2014/03/07(金) 23:47
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十一時半で患者の受付けは終わる。食事をとって一息つくと、もう午後一時
すぎになっていた。
火曜と金曜の校医としての勤めは午後二時から午後五時までだ。裕美子は学
校の雰囲気が好きなので、校医の仕事はいっこうに苦にならない。放課後の
生徒たちが、広々とした校庭でクラプ活動をしている姿を見るのは楽しい。
解放感にひたるひとときである。
それは男子生徒に限ったことではない。女生徒のなかにも、セックスに関す
る生々しい問題を相談しに来る者もいた。オナニーのやりすぎで陰唇が肥大
化していないかとか、性器が異臭を放つという者とか、妊娠の不安を打ち明
ける者など、セックスがらみのことがあまりに多いのでうんざりする。
今日は変なことがなかった……。
保健室のカーテンを閉めた。壁掛時計は、ちょうど五時をさしていた。
今日、保健室にやってきたのは、クラプ活動中にネンザした男子生徒が一人
と、偏頭痛に悩まされているという女生徒だけだった。
閉めたカーテンで外光が遮断されると、今まで明るかった保健室が急に薄暗
くなった。
戸閉まりを確認してドアノブに手をかけたちょうどそのとき外からドアが軽
くノックされた。
ドアを開けると、すぐ目の前に大柄な生徒が立っている。
名前は知らないが、見覚えのある顔だ。ラグビーのインターハイ予選で代表
に選ぱれながら、他校生徒との暴力事件を起こしたために辞退させられた生
徒である。
「先生、具合が悪くて……」
大柄な少年はぶっきらぼうに言った。
(凄く背が高い!!195センチはあるだろう・・・)
もう帰るつもりだったが、診察しないわけにはいかない。裕美子はなかに招
き入れると、椅子をすすめ、すぐにカーテンを一枚だけ開けた。
わずかな問に空は黒い雲に覆われ、薄暗くなっていてさっきまでグランドに
いたサッカー部員たちの姿はもうなかった。
振りかえると、椅子に座っているとばかり思っていた少年が、ベッドに横だ
わっていた。
「そんなに悪いの?」
裕美子はベッドの横に椅子を引き寄せ、聴診器を手にした。
「学年と名前は?」
「三年C組、綾小路秀樹……」
「具合が悪いって、どんなふうに?」
秀樹の顔をのぞきこみ、順に手を当てがったが、熱はない。
「心臓が急にドキドキして、胸が苦しくなるんです」
「そう……ともかく診ましょう。シャツのボタンをはずして」
秀樹がワイシャツを脱ぐ手を見た。裕美子はその手の逞しさに感心した。
シャツの前をはだけると、白い丸首シャツが現われた。裕美子がその上から
聴診器を当てようとすると、秀樹が裾の部分をめくりあげて胸を露出させ
た。
胸板の分厚さに、裕美子は圧倒された。息子と大して年が違わないのに、ま
るで大人と子供の差がある。
鳩尾の上に胸毛が生えていてそれが裕美子の目にはひどく狽褒に映った。動
悸が速まった。
聴診器を当てるだけなのに、手が震えた。
まるで裕美子の動揺を見越しているかのように、秀樹が目を開けた。まとも
に視線が合い、たじろいだのは裕美子だった。
秀樹がニヤツと笑った。
背筋に悪寒が走った。危険を感じた。女の本能が、警告を大脳に送りこん
だ。
あわててベッドから離れようとしたとき、一瞬早く秀樹の手が伸びて、裕美
子の二の腕を掴んだ。ものすごい力だった。
「何をするの!」
激痛に顔をしかめ、裕美子は大声を出した。
「イヤッ」
大声を出したつもりだったが、恐怖でかすれ声になっていた。
秀樹が裕美子を引き寄せた。男の官能をくすぐる甘い香りが鼻腔の粘膜をく
すぐると、体の内の欲情が一挙に大きく膨らんだだけでなく、下半身の一部
にもそれが具体的な形となって表われた。
美しい女医の手を、強引に設問へ押しつけた。
「あっ……」
熱化し膨らんだ股ぐらに触れて、裕美子は悲鳴をあげた。
その直後に、口のなかに異物が押しこまれた。汗にまみれたハンカチをつっ
こまれ、声を出すことができなくなった。
裕美子は息苦しさに耐えて必死で暴れた。それを秀樹は笑いながら眺め、体
の位置を入れ換えた。
体重をかけられて押さえこまれては、裕美子はもう身動き一つできない。
「先生、恨まないでくれよな」
秀樹はすっかり硬くなった股間を、魅力的な女医の下腹のふくらみに押しつ
けた。
ズボンやスカートを通しても、裕美子は充分にペニスを感知した。若い剛直
が、狙いを定め、太腿の付け根に割りこみ、陰部をノックする。
男子生徒を剌激しないようにと、タイトスカートを避けて、フレアスカート
をはいてきたことが、今は仇となっていた。秀樹の力で、両脚がどんどん聞
かれてしまう。すると、硬直した一物は、より正確に割れ目を直撃した。
「う・・・っう、嫌っ!!」
この危険な体位から逃れようと腰をもがいてみせるのだが、張りついた秀樹
の下半身は離れない。
裕美子はとらわれの身である。そのうえ、口にはハンカチが押しこめられ
ている。
女校医のもがき苦しむ姿を見て、高校生とはいえ、肉体的にすでに大人顔負
けの秀樹は、体内の血が煮えたつほど騒ぐのを覚えた。市内でも評判の美人
医師とやるのだ。ここまできた以上、中途半端は許されない。
徹底的にやってしまえば、美人医師も警察には訴えないだろうという読みが
あった。強姦未遂では駄目なのだ。強姦を立派にやり遂げなければならな
い。
できるなら、相手に女としての歓びの声をあげさせたい。単に女性を犯し、
精を胎内に放出するだけにとどまらず、歓喜の声をあげさせるのだ。そうす
れば、強姦が強姦でなくなり、合意だったという解釈も成り立つではない
か。
秀樹は不敵に笑った。自信がある。いや、そう思いこむことによって、美人
医師に対する恐れや圧迫感を取り去り、本物の自信を得ようとした。
裕美子はすべてを諦めたように身動きをやめた。目を閉じた。
顔のすぐ上で、満足げな秀樹の含み笑いが聞こえた。
ブラウスのポタンが一つ、またIつとはずされていった。
「ほう……」
まるで大人のような声をあげた秀樹が、胸の谷間をくっきりと浮き立たせた
白いブラジャーに見入った。熱い息が谷間にそよいだ。
「いい匂いだ……」
秀樹が瞳の向こうに黒い影となって迫り、小犬のように鼻を鳴らした。その
タイミングを見はからって、伸ばした于で一輪挿しを掴んだ。思いきり振り
あげた。
気配を察した秀樹が、顔をあげた。
頭をめがけて、裕美子は一輪挿しを振りおろした。だが、位置関係が悪かっ
た。自分が上になっているならともかく、組み敷かれていてはスピードがつ
かない。
さらに気づいた秀樹に素早く払いのけられたため、一輪挿しは少年の頭に軽
い衝撃を与えただけだった。効果はほとんどないに等しかった。
裕美子が反撃に出たということに対して、秀樹は理不尽ともいえる怒りをぶ
つけた。
いきなり女校医の両頬に平手打ちを食らわせた。裕美子はショックで頭がボ
ーッとしてしまった。体が乱暴に何度か引っくりかえされるのが、おぼろげ
に感じられた。
「おい、先生よ!」
今度は軽く頬を叩かれ、裕美子はようやく正常な意識を取り戻した。
「うううう……]
口に押しこめられたハンカチのせいで声にはならなかったが、裕美子は羞恥
にすくんでいた。ブラウスもスカートもパンティストッキングも剥ぎ取られ
ていて、身に着けているも
のといえば、白いプラジャーとパンティだけだった。
見おろす秀樹の目は欲情に燃えていた。
裕美子は弱々しく頭を振った。誰かが来てくれることを析るだけだった。
秀樹が素早く丸首のシャツを脱いだ。ラグビーで鍛えた逞しい肉体だけが、
この不作法な少年の、唯一の取り柄であった。そしてそれが今、とてつもな
く大きな威力を発揮しよ
うとしていた。
秀樹は裕美子の腰にまたがりながら、器用に学生ズボンとパンツを脱いだ。
無遠慮にゴツゴツと体のあちこちに当たる肉棒の大きさ、長さを、横目で見
た裕美子は、わけもなく体が震えるのをどうすることもできないでいた。あ
わてて目を閉じた。しかし
それが徐々に、染みこむような性的快感となって、じんわりと女陰の奥から
湧きあがっていた。
裕美子はうろたえた。こんなはずじゃないと思っても、体はあまりにも正
直だった。我れ知らず身悶えていた。
「そんなに気持ちいいのか?」
耳もとで癒かれたとき、裕美子は初めて自分のはしたない仕草に気づいて赤
面した。抗弁しても信じてもらえないだろう。ただ堪えるしかないと思っ
た。
再び慎重なキスが繰りかえされた。秀樹はキスしながら、今度は腰を揺さぶ
るだけではなく、実際にセックスするように、下から上に向かって突き入れ
る動きを加えた。
亀頭がパンティを突き確りそうになる。亀裂からクリトリスまで突きまくる
から、湧き起こる快感の強さは前回をはるかに凌いでいる。
「あうううっ……」
鋭い感覚が女芯を突き抜け、裕美子はいつしかくぐもった声をあげていた。
もう、声をあげるだけでは飽きたらず、明らかに自分から、欲望が渦巻く三
十路の淫裂を秀樹の肉体に
押しつけていた。
(あああ、これを触りたい……。)
裕美子は自分の心の裏切りに驚き、肉体の正直さを恨めしく思った。
(この硬いものが私のなかに入ってきたら、どんなに気持ちいいだろ
う……。)
夫との充実した性生活の思い出を重ね合わせて考え、女盛りにさしかかった
欲望は、いやがうえにも膨れあがる。
けれども、耐えなければならなかった。禁欲を強いてきた堅い未亡人という
レッテルを、自らの手で剥がすわけにはいかない。性の歓ぴをまた味わいた
いという正直な気持ちと、
身を持ち崩してはいけないという未亡人のプライドが、裕美子の体のなかで
激しく揉み合っていた。
「お願い、やめて。もうこれ以上、しないでエ」
裕美子は弱々しく哀願した。お願いするより他に道はなかった。力では情勢
を覆すことなど到底できるわけがない。最悪の事態を避けるには、あくまで
も自分が弱者であることを
強調しなければならなかった。
だが秀樹は、せせら笑っただけだった。
裕美子は校医であったにもかかわらず、思春期の少年の欲望の強さを知らな
すぎた。少年たちの欲望は、ひとたぴ暴走したら、最後まで発散させなけれ
ばすまないということが実
感としてわかっていなかった。だから哀願したのだ。
秀樹は女校医の背中に手をまわし、ブラジャーのホックをはずして、ストラ
ップを肩から抜いた。
「お願い、人が来たらどうするの」
「おれはなんとも思わないよ。困るのは、先生のほうだろ」
[じやあ……」
一大決心をして、裕美子は言った。
「胸だけにして。もし、それでも駄目なら……]
先の言葉を言うには、身が縮むほどの恥ずかしさと勇気が必要だった。
「……私が手で、してあげる」
「手で?」
裕美子の提案に、秀樹は目を丸くした。そして内心、たっぷりと出した後な
らもっと時間をかけて楽しめると、小躍りしたい気持ちだった。
裕美子は、自分が馬鹿げたことを言ったとは気づかなかった。
「先生、本当に手でやってくれるんだね」
秀樹に念を押され、それですべてがうまく解決するものだと思いこみ、裕美
子は大きくうなずいた。
禅にされるのは仕方がない。自分の手で、相手の欲望を放出させるのもやむ
を得ないだろう。もしかしたら恥ずかしい部分を触られるかもしれない。し
かし、体を自由にされる
よりはましではないか。犯されないということが、もっとも大切なのだ。
「先生、胸ぐらい楽しませてくれよ。いいだろ」
少年の要求を甘受するしかない。裕美子は小さくうなずいた。
秀樹がようやく腰の上からおりて、添寝するように横たわった。
太腿や下腹部に硬いペニスが勢いよく弾みながら当たった。それでもたった
一枚の薄い布切れが女性器を覆っていることで、裕美子は少し安心した気分
になれた。
秀樹が鼻を鳴らしながら左右の乳房を間近に見た。
今までかかわってきた同年代の女生徒や、ソープランド嬢たちに較べると、
肌のきめの細かさ、色艶がまるで違う。ゆったりした乳房の谷間に顔を埋
め、これから起こる行為を
考えると、肉棒はますます猛り立って、軽い刺激にも反応して歓びのしるし
を覗きだしてしまいそうだった。
心地よい緊張感に酔いながら、秀樹は静かに乳房の一つを頬張った。いつも
思うことだが、この瞬間の甘ったるいミルクのような匂いがたまらない。
充分に頬張った後は、すぐに舌先だけを使って乳首をくすぐる。強すぎては
いけない。
チロチロと粘膜の表面をかすめるように甜めるのが女には効く。
これは乳房に限ったことではない。すべての粘膜や皮膚にいえる。そのこと
を、秀樹は今までの経験からよく承知していた。
秀樹にとって、今日の相手は大物であるだけにやり甲斐もあった。何事にも
いい加減で大雑把な少年は、女が相手の場合だけ、研究熱心な性の求道者に
変身した。
長い時間、秀樹は乳房だけを愛撫の対象とした。淡いピンク色に染まった二
つの乳房は、時折りぶるぶると震えて、秀樹の欲情をいっそう煽りたてた。
「やめて……もう充分でしょう。お願い……]
必死になって女体に湧く感覚を抑制してきた裕美子だが、秀樹の疲れを知ら
ない長い愛撫に、危険なものを察知した。このまま耐え抜く自信はまるでな
い。相手が夫とか恋人なら
ともかく、不意の侵入者である。これ以上の醜態はさらしたくなかった。
少年の絶妙な舌の使い方に触発されて、乳首はすっかり硬く勃起していた。
それだけならまだしも、恥ずかしい女の中心部が、いつのまにか熱く火照
り、そこに瞼が裏がえって
しまいそうな快感が発生した。
そうなると、いくら自制しても体が跳ねてしまう。それを秀樹に悟られるの
が死ぬほどつらかった。感じていると思われたくなかった。
けれども、あまりにも女体は正直すぎた。感じてはならないと頭のなかで他
のことを考え我慢する。
が、それも初めのうちだけで、すぐに甘く切ない陶酔が、乳首だけでなく下
腹部の亀裂のあたりから湧いてくる。何度、このまま相手にまかせて、思う
存分、性の楽しさを満喫したいと思ったかしれない。
しかし、自分は女校医だ。そんなことは、たとえ自分が一方的な被害者だと
はいえ、是認されるべき性質のものではなかった。耐えるしかなかった。
「ねえ、そろそろ、手でしてあげるから……」
いやな言葉だ。しかしこの危険な状況から一刻も早く逃れるためには言うし
かなかった。
「そうだな」
秀樹があっさりと受け入れたので、裕美子は少しホツとした。そのくせ、心
のどこかに、はぐらかされて放りだざれたような虚しさを感じた。
「でも……」
秀樹はたおやかな裕美子の女体を見おろし、言葉をついだ。
「先生の裸だけは、じっくりと見せてもらうからな]
おもむろに、白いパンティの縁に指をかけた。
「いやっ!待って。ちょっと待って」
裕美子はあわてて少年の手を押さえた。
「ねえ、約束して。見るだけ。それ以上のこと、絶対にしないって約束し
て」
「……わかったよ。見るだけだ。それ以上のことはしない」
秀樹がパンティを足首から引き抜くまで、裕美子はじっと目を閉じていた。
「ほら、先生、やってくれよ」
隣りに秀樹が仰臥した気配があり、裕美子は半身を起こした。
裕美子の視界に飛びこんできたのは、まるでビール瓶のような、長大な男性
器だった。見事な反りと膨張率を誇示するようにして、ピクンッ、ピクンッ
と脈打っている。
「擦ってくれよ。先生の綺麗な手で……ほら、早く」
唸るような声にうながされて、裕美子はこわごわと肉柱に触れた。
硬くて大かった。指が幹の部分にまわりきらなかった。
裕美子が肉体を触っている姿を秀樹は眺めながら、満足げな笑いを浮かべ
た。
「擦るんだよ。先生の年なら、それくらい知ってるだろう」
なるべく手もとを見まいとしたが、目は意志に逆らって、肉柱に向けられ
た。
てのひらが脈動の強さに弾きかえされそうになったが、裕美子はしっかり握
りしめ、ゆっくりと表皮を擦りはじめた。
不思議だった。事務的にやろうというつもりだったのに、相手の気分を高め
るような、強く激しい動きになってしまう。それに気づいてあわてて無感動
を装い、おざなりに摩擦
した。
「ウッ……ふん……]
今や秀樹は天井を見つめ、少しずつ顔を紅潮させている。
筋肉ののった胸や、余分な肉のない下腹が、時折り心地よさそうに痙撃し
た。そういう少年の裸を見ると、裕美子のなかで淫らな部分が前面に押しだ
されてきて、気分までが高揚していく。
奇妙に感じたのは、裕美子が裸になったにもかかわらず、秀樹が女体に触れ
ようとしないことだった。これは予想外であったが、裕美子にとってはあり
がたい誤算だった。なぜなら女陰は、あまりにも長い秀樹の乳首への愛撫
で、まるで洪水のようにぐっしょりと濡れそぽっていたからだ。
気持ちがよくって、そんなことまで気がまわらないのかな……。
やはり子供なのだと思いながら、裕美子は少し手の動きにスピードを加え
た。
「先生……あああ、その調子だよ……」
ペニスの先端からは、ねばついて透き通った露が溢れだしていた。
(これが、私のアソコに入ってきたら……。)
裕美子は突然、そんなことを考え、大きく動揺した。なんてはしたないこと
を……と思ったものの、自分の心に少しでもそれを望む気持ちがあるのだと
気づいて、愕然たる思いに
駆られた。そして、ひとたびその思いにとらわれると、すべての禁を犯し
て、実行してしまいたい語感に駆られたのも事実であった。
閉じていた両腿の付け根が火傷をしたように熱く火照り、肉腰の間からドロ
リと愛液が溶けだす。
(触られなくてよかった……。)
女の弱点を知られなかったことに、安心した気分になる。
「先生……は、早く……」
そそのかすような秀樹の声で我れにかえった裕美子は、さらにスピードを加
えて肉体をしごいた。
逞しい少年の体が弓なりに反った。目が三白眼になって宙をさまよう。
(出るんだわ………)
すさまじい噴射を思い浮かべた。
「あっ、イクっ!!]
秀樹は、「出る」とは言わなかった。
そのセックスに直接結びつく言葉は、裕美子の胸を切なくかき乱した。その
短い言葉は、夫との官能に満ちた夜を思いださせるには充分であった。
肉棒を握りしめた五本のしなやかな指は、秀樹の声に反応して、一気に表皮
を根元にまで押しさげた。
「あああっ、気持ちいい……」
正直で端的な言葉は、裕美子の全身を妖しく揺さぶった。とりわけ股間の秘
唇に、その影響が強く現われた。感じやすい粘膜は、小気味よく震動しなが
ら、男の硬い一物を求めて、
またも媚液を湧出させた。
「イクぞ!!!アッ、アッ、アー」
手がはねのけられるほどの衝撃を受け、こわばりの先端から白い塊りが宙に
飛んだ。美しい放物線を描きながら、たてつづけに放たれた。
裕美子は、その飛距離と量の多さに、ただ呆然と見とれるばかりだった。
この強烈な精を、子宮に思いきり受けられたら……。
考えてはならないとわかっていても、その思いは頭のなかにこびりついて、
決して離れることはなかった。
小さく縮んでいくペニスを露呈したまま、秀樹は保健室のベッドに長々と仰
臥していた。
裕美子は一刻も早くこの場所から逃げだしたかった。
「ねえ、人が来たら大変なことになるわ。早く服を着て」
声をかけ、ベッドからおりようとした。
裕美子が不用意に腰を持ちあげるのを、秀樹は薄目を開けて、真後ろから見
ていた。赤く充血した女の裂け目は、奥から湧出した露にまみれ、秀樹の欲
情を挑発するようにひくついていた。
ほんの一瞬の光景を、秀樹は見逃さなかった。
秀樹が静かに起きあがった。
白い背中を向けて、裕美子はパンティをはこうとしていた。秀樹は、その裕
美子に飛びかかり、羽交い締めにし、ベツドのほうへ押しやった。裸の裕美
子はパンティに片足を突っこんだまま、ぶざまにもベツドに倒れこんだ。
再び秀樹は、女陰の裂け目をはっきりと見た。
裕美子は、少年の性に対する欲望の深さを、本質的に理解していなかった。
とどまるところを知らない無限のエネルギーに裏打ちされていることに気づ
かなかったのは、彼女の悲劇であった。
裸身に何もまとっていなかったので、悲鳴をあげて人を呼ぶこともできな
い。それに、現在の二人の格好では、いかなる弁解も通じないだろう。
裕美子には世間体があった。R市における社会的地位を考えれば、迂澗に人
など呼べる状況ではなかった。
裕美子は再び力の限りを振りしぼり、少年に対抗しようとした。たとえそれ
が虚しい結果をみるとしても、やるべきことはやらなければと思った。
両足で秀樹を蹴りあげようとした。が、簡単に足をつかまれてしまった。そ
れだけではない。秀樹はせせら笑い、「先生、オマ×コが丸見えだ」と言っ
たのである。
屈辱感よりも恥ずかしさで、全身がカーツと赤く染まった。
分娩台にのった妊婦の足もとに立てば、股間のすべてが丸見えになってしま
う。裕美子は、自分がそれに等しい姿をさらしてしまったことを後悔した。
もっとも秀樹にとっては、むしろ欲情を活性化させる、またとない見もので
あった。裕美子の上にのしかかり、固く閉じた両腿の付け根をこじ開けよう
とした。
裕美子は夢中で秀樹の頭を叩いた。しかし秀樹は、蚊に刺されたほどにも感
じていなかった。
「約束が違うわ!」
ありきたりの抗議も、鼻先であしらわれ、一蹴された。
「約束なんて、破るためにあるんだ。触ったからって減るもんじやない。
一度や二度はめたって、形が変わるもんじやない。そうだろう。それによ、
はっきり見えたぜ。先生のオマ×コ、ぐっちょり濡れてたじやないか。おれ
のをしごきながら、やりたくてやりたくてうずうずしてたんじやないのか」
(そこまで知られていたなんて……。)
裕美子はかえす言葉はなかった。とはいえ、黙っていては相手の言い分を認
めたごとになってしまう。
「……ひどいこと、言うのね」
後の言葉がつづかない。
「濡れるくらいだから、やってほしかったんだろ。そうだな」
切りかえすことができない。自分の感じ過ぎる体を恨むしかなかった。
秀樹は、裕美子の両手を万歳の格好でしっかり押さえつけ、真上から恥ずか
しげな裸身を眺めまわした。
羞恥に震える乳房は、長く稜線を引いている美しい山なみのようであった。
へこんだヘソや、脂肪ののった下腹は、いかにも女っぽい。下腹から一段と
大きく盛りあがった魅力的な女の丘には、淡い恥毛が亀裂を取り囲むように
生えている。そして割れ目が香気を漂わせて、まるで犯されるのを待ってい
るかのように息づいていた。
すべての男の情欲を煽りたてるに充分な材料が、目の前に完璧なまでに備わ
っている。
少年は大人の女体を目で楽しみ、たっぶりと味わうつもりだった。
秀樹は頭を低くし、体重をかけ、裕美子の自由を奪ったまま乳首を舐めあげ
た。今度は空気をそよがせるような舐め方ではない。
乳首に、いきなり火でも押しつけられたような痛みと疼きが噴きあげた。
「ひいっ!」
裕美子は身悶えながら悲鳴をあげた。
その一瞬の隙をつくように、秀樹の片手が陰阜の上を覆い、全体を揉みたて
た。中指の先が亀裂の間に潜りこんでいた。
ヌルツとした感触に秀樹は小躍りした。
「ああン……駄目ェ……」
身をよじった。これがかえって深々と中指を迎え入れる結果を招いた。膣肉
が嬉々として中指に絡みつく。
肉壁をこねまわしつつ、てのひら全体を使って恥丘を揉む。その行為に男に
飢えきっている三十路の女体は、逃げまどうように見せかけて、逆にぐいぐ
いと少年の手を受け入れていた。オナニーで得られるのとは較べものになら
ない快感に、裕美子はのた打ちまわった。
「先生、嘘ついたって駄目だぜ。体は正直だからな」
秀樹は中指だけでなく、他の指も動員して女芯をかきまわしにかかる。
てのひらが媚液に濡れそぼり、そのせいでいやらしい摩擦音がひとしきり大
きく聞こえるようになった。そのたびに裕美子は身の縮む思いをしながら、
欲情をそそられていく。心にもなく暴れようとすると、飢えきった膣肉はか
えって少年の指に絡みついて、もっと奥に引っぱりこもうとした。
「ああっ、いやっ……いやだったら……」
裕美子の虚しい声は、男を求めてやまない肉体に向けられた怨嵯の声にほか
ならなかった。
「欲しいくせに、無理するなって」
秀樹はすべてをお見通しだった。
「こんなによく濡れる女、初めてだぜ。毎日、よく我慢してるな。ひょっ
として、我慢できなくて自分の指で楽しんでるのかな」
まるでずっと見ていたかのように核心をつく売火に、裕美子はうろたえた。
「そんなにいい気持ちかい?」
今さら言いかえしてもはじまらないと諦めた。
「もっと気持ちよくしてやろうか」
秀樹は乳房に顔を埋め、右手を女陰の割れ目に掃くように走らせた。
「ううう……」
思わず腰が躍った。
今度は親指を濡れた肉路に突き立てる。ここでまた腰が反射的に跳ねてしま
う。
「気持ちいいだろう。これをやると、どんな女も鼻を鳴らすんだ。先生だ
って女なんだら遠慮しなくていいんだぜ」
腹を立てる余裕もなかった。肉路を往復した親指がいきなり抜かれてしまっ
たので、裕美子は被害者という立場を忘れて、思わず溜め息をもらしてい
た。
すぐに二本の指が、すっかり膨らんで硬く尖っている肉芽を摘んだ。
「あ、あああン……」
固く唇を結んだつもりでも、強烈な快感が体の一部から湧くと、我れを忘れ
て声を出してしまう。
秀樹は女の心理をつくのがうまかった。一度落胆させておいてから、すぐに
前以上の快感を女体に送りこむ。この方法を何度かつづけられるうちに、裕
美子の抵抗する意志はほとんど奪われてしまった。切なさ、もどかしさに、
喘ぐばかりだった。
二人の肉体の触れ合うかすかな音と、裕美子の深い吐息が、保健室の空気を
かき乱した。
裕美子は中途半端に揺れ動いた。これ以上抵抗するなど、とても不可能だ。
かといって、暴力少年の思いのままに翻弄されるわけにはいかなかった。
押し寄せる快感は、ときとして津波のように裕美子を呑みこんだ。いっそこ
のまま言うなりになってしまえたら、どんなに楽だろう。何度そう思ったか
しれない。
裕美子は徐々に弱気になっていた。もしも相手が自分にふさわしい男なら、
ためらいもなく男の一物を手にしていただろう。男の望むままのポーズをと
り、嬉々としてペニスを熱くたぎった股間に迎え入れていたであろう。男よ
りも積極的になって、久しく忘れていたセックスを心ゆくまで味わいつくし
ていたに違いない。
だが、相手は生徒である。受け入れるポーズをとることは、いっさい許され
なかった。
「先生、おれ、やりたくってたまんないんだ。でも先生からやりたいって
言わない限り、やってやらないからね」
なんという白惚れだろうと、裕美子は憎らしく思った。が、確かに自分から
求める言葉を吐いてしまいそうな危険は充分にあった。そして、もしそうす
ることができたなら、どんなに素晴らしい時間をすごせるだろうとも思うの
だ。
「私は、そんなこと、絶対に言いませんからね」
「本当かな」
秀樹がせせら笑った。
「じやあ、もうちょっといい気持ちにさせてやろうじやないか」
もはや裕美子が力で反抗できないとみてとると、秀樹は足もとヘズリさがっ
た。
(まさか‥……)
裕美子は、かつての夫とのセックスを思いだした。一番恥ずかしいがゆえ
に、一番感ずることを、夫は必ずやったものである。それは究極の愛撫とも
いえた。口唇愛撫の切なくて官能的な記憶が甦る。裕美子はあわてて秀樹の
頭を押しのけようとした。それよりも早く、股間に張りついた秀樹は、馴れ
た仕草でいきなり亀裂の縁を、分厚い舌のざらつく部分で舐めあげた。
「ひい……ッ!!!」
甲高い声をあげて、裕美子は腰を躍らせた。自分の意志ではない。目に見え
ない力がそうさせたのだ。女の貪欲な本能だったかもしれない。
秀樹は裕美子の太腿をかかえこんで下半身の自由を奪い、ひたすら舌による
女陰への愛撫を、飽きることなき執念をもってつづけ通した。
閉じるつもりの両脚が、裕美子の気持ちを裏切り、どんどん開いていった。
すると今までなかった女の生臭い匂いが股間から立ち昇り、少年のあくなき
性欲を心地よく刺激した。
疲れを知らない舌は、女の小宇宙を縦横に駆け抜けた。舐めたり擦ったり、
ときには小突いたりしながら、確実に裕美子の性感を高めていった。
裕美子の口からもれるのは、拒否の声に変わって、思い入れたっぶりな熱い
吐息だけとなった。
秀樹は戦う前から勝利を確信していた。中学二年で近所の人妻によって女の
味を覚えて以来、これまでに接した女の数は二十人を超えていた。そして年
上の女だちから、女体についてありあまる知識を教えられ、自信をつけてき
た。秀樹は女性に対して天性の資質を持っていたのだろう。
裕美子は我慢の限界にきていた。自分か学校の保健室にいることさえ忘れて
いたし、毒牙にかけようとしている相手の男が年下の高校生であることも頭
のなかになかった。体は確実に舌に反応した。かたくなに閉じているのは心
だけで、肉体は解放を求めて燃えさかっていた。
複雑に重なり合う肉壷のあちこちから、官能の滴りがトロトロと溢れでた。
それを秀樹は丁寧に舌先ですくい、興奮で乾いた喉を潤した。
媚液をすくいあげる舌の動き1つまでもが、女の快感を引きだす大きな役目を
果たした。
そのうえ指先が粘膜の裾をつまみ、そこに意識を集中させるようにしては快
感を送りこむので、裕美子は夫に与えられる快感よりも、もっと品がない、
強烈な性感を絶えず感じる羽目になった。
それは生まれて初めて味わう感覚で、いつしか裕美子は愉悦にどっぶり浸
り、自分でも驚くくらいの歓びの声をはりあげてのた打った。気づかないう
ちに、切なく火照る恥肉を、はしたなくも少年の顔に擦りつけていた。
(ヘヘヘ、こんなによがってやがる……。)
秀樹は長くて器用な動きをする舌を棒状にすると、陰唇を押し開いて、ズル
ズルと奥に送りこんだ。
「あああ、いやっ……駄目よ……ああああ、どうしよう」
全身を揺るがす快感は、裕美子にとって衝撃的なものだった。ペニスのよう
に大くて硬くはないにせよ、ともかくしびれを切らして待ちくたびれていた
腔に、長い異物が入ってきたのである。
「どうしよう……ああン、どうしよう」
うわごとのように呟き、裕美子はいつしか腰を律動させて、セックスの幻想
のなかに我が招身を置いて喘ぎつづけた。
そんな姿を上目遣いで盗み見ながら、秀樹は完全な勝利を予感した。
できるだけ長い時間、美しい女医師の悶えるさまを眺めていたいのだが、い
つ誰がやってくるかわからない不安がある。日直の教師や警備員が来ても不
思議ではない。楽しみをめいっぱい引き仲ばせないのは残念だが、かわりに
中身は濃厚なものにしたかった。
秀樹は、興奮で肥大しきっている紅梅色の肉芽を見つめた。
殼はすっかり外にめくれかえっている。その下に口を開けた女芯が、まるで
喘ぐかのように息づいていた。
念入りに恥毛を左右に分けて、それぞれをふくらみの上に撫でつけた。そし
てゆっくりと中腰になった。
気配を察したのか、裕美子があわてたように目を見開き、秘孔をてのひらで
隠した。それは防御本能がそうさせたのであって、すでに意識はもうろうと
し、セックスの歓びに溺れてしまいたいという貪欲なまでの感覚が残されて
いるだけだった。
「先生……」
見ろと言わんばかりに秀樹は猛々しく屹立したペニスを右手で握り、擦りた
てた。欲望を放出させるためではなく、あくまでも裕美子を挑発する行為だ
った。
顔をそむけるか、目を閉じてしまえばすむのに、裕美子は催眠術にでもかか
ったように凝視しつづけた。
(いけない。目をそらさなければ……。)
心のなかで善の意識が囁くものの、悪の意識のほうが勝ってしまう。
「入れて欲しいか?」
秀樹は怒張しきった一物を、自慢げにブルンブルンと振りたてる。
その瞬間、裕美子は肉持の先端から透明な雫が細い尾を引いて、宙に舞った
のをはっきり見た。
(ああ、したい!!!! 私の手でアソコに押しこんでしまいたい)
裕美子は□を開きかけ、あわててつぐんだ。どうしてそんな淫らな言葉が言
えようか。言えるわけがない。
彼女の気持ちと体は、すっかりづフンスを失った状態だった。
秀樹は上体を傾けて、肉棒を割れ目に接触させようとした。しかし割れ目を
塞いでいた裕美子の于が、肉棒を払いのけた。
「あああ……」
呻いたのは裕美子だった。弾むような肉棒の感触に、我れを忘れて感嘆の声
をあげてしまったのだ。
ふくらみの上から邪魔な手が一瞬、取り払われた。秀樹はすかさず亀頭を陰
阜に押しつけた。
挿入する前のお遊びであったが、裕美子は取り乱して呟いていた。
「それは駄目……許して」
「嘘つきだな、先生は。オマ×コが欲しがってるじやないか」
裕美子は思わず肯定してしまいそうな誘惑に駆られた。
(ええ、こんなに欲しがってるわ。お願い、早くして……。)
そう言えたら、どんなにか爽快な気分に浸れるだろう。
(オマ×コしたい!!! この恥ずかしい言葉を叫んでみたい……。)
一方の秀樹は亀頭の先で、粘膜を叩いたり擦ったりしていた。めいっぱい焦
らされ、裕美子は焦らずにいられなかった。いっそ力いっぱい、ズブリと貫
かれたなら、相手の力に屈しかかのように装うことができるのに、秀樹はそ
うはしなかった。
「あああ、もういやっ!! やめてえ……」
思わず言ったのは、犯されるのを拒んだのではない。蛇の生殺しのような弄
び方は、もうやめてほしいという気持ちから発したものだった。
秀樹は無視した。なんと言おうとも、自分流のやり方をあらためる気にはな
らない。
裕美子の濡れ具合を目にしていただけに、裕美子が屈するのは時間の問題だ
という自信があった。ぬるぬるの溶液は女性器の内部だけではなく、亀裂の
表面にまで瀋んでいた。そのため亀頭での割れ目への摩擦は、実にスムーズ
に行なわれた。
ツルツルした感触を楽しんでいながら、悶々とする裕美子の表情を見ている
と、無上の恍惚感に浸っているように見えるときがある。少年にとって、望
んでいる傾向が顕著に現われはじめていた。よけいなことを言う必要はなか
った。裕美子が音をあげるのを待つだけだった。
「あああ、もう……」
とうとう美しき女校医が、心底から焦れた声を出した。同時に腰が持ちあが
った。せりでた陰阜の下から、強い匂いが漂った。それは、少年が喉を鳴ら
してすすった、女の溶液の匂いだった。
肉路が洪水の跡のように濡れていることはわかっても、秀樹はあえてそのこ
とは言わなかった。触ったり眺めたりもしなかった。相手に警戒心を植えつ
けないで、そっとしておくことにした。そうしながら、集中的に徨口と陰核
の上だけを亀頭で辛抱強く擦った。
裕美子の呼吸がせわしくなり、生臭さが増した。
「あ、あなたは、私の手だけって約束したのに……最初から、約束を破る
つもりだったのね……ひどい男!!………いいわ、私、もうどうでもい
い……いっそのこと、早くすませて」
裕美子が息をつぎながら言った。
秀樹は内心で快哉を叫んだ。自分が我慢できないくせに、他人のせいにす
る。いい気なものだと思った。
本当は先生だって、やりたくてたまんないんだろう。そう言ってやろうと思
ったが、言葉を封じこめた。そして秀樹は素直に認めた。
「ああ、やりたくってたまんないさ」
「じゃ、早くすませて……私は体を貸すだけですからね。人が束ないうち
に、さっさとすませて」
「わかったよ」
あくまでも他人のせいにする裕美子に反発を覚えながらも、秀樹は従順だっ
た。
よし、見ていろ、と思う。体にものを言わせてやる。口ではなんとでも言え
る。けれども体は本音しか表現しない。体に聞いてみればすむことなのだ。
秀樹は股間からようやく顔をあげた。その顔は、薄糊でもぶちまけたように
媚液で濡れて光っていた。
「じゃ、やらせてもらうよ」
謙虚に言ってから、秀樹は屹立しっぱなしの分身に右手を添えた。軌道修
正しないことには、あまりにも勃起力が強すぎ、欲目の位置とまともに向か
い合えない。
裕美子は少しの間、秀樹の動きを目で追っていたが、視線が合うとあわてて
あらぬほうを向き、目を閉じてしまった。けれども、網膜に灼きついた怒張
の印象は、あまりにも鮮明であった。思わず全身に震えが走った。こわばり
が股間に割りこんでくる感触を想像しただけで、そうなった。総毛立つよう
な感覚は、決して嫌悪ではなく、その逆であった。
(いけない。こんなことでは負けてしまう……。)
裕美子は心を閉じ、肉体を閉じることに集中した。セックスと間係のないこ
とを頭に思い浮かべることで、殼のなかに閉じこもろうとした。
そのときである。いきなり股間に熱い一物が割りこんできた。予告なしに粘
膜が硬いペニスで押七分けられる感覚は、あまりに強烈だった。
「あうううううっ……」
のけ反って、万歳をした両手でシーツをかきむしった。
太くて長い少年のペニスは、容赦なく最深部をうがち、子宮類管を圧迫し
た。
ズシンッ、ズン!ズン、ズン!!!
と脳髄を揺るがす一撃に、裕美子は必死に耐えた。雑念はすっかり消えて、
丸太ン棒のような肉柱の感覚だけが頭いっぱいにひろがった。
秀樹は根元まで深々と潜らせた後、意識的に恥骨で陰阜を押した。
「あううっ……あっ……ハーン……」
押した回数だけ裕美子は呻き声をあげ、顔を歪め、左右に振った。それは、
秀樹がクリトリスと思われる個所を圧迫した回数に等しかった。
秀樹はしっかりとその回数を頭のなかに刻みつけていた。そして今度は肉体
を挿入したまま、悠然とのの宇を腰で描いた。
終始クリトリスが圧迫されつづけ、裕美子の喘ぎ声もたてつづけに起こっ
た。
裕美子は自分でも気づかないうちに、少年の動きに腰を同調させていた。
天空に吸いこまれそうになったとき、急に秀樹が肉体を引き抜いてしまっ
た。喘ぎ声が、悲鳴に変わった。
(どうして? なぜ抜いたの……!?)
叫びたい心境だった。空虚になった秘孔は、その不当な扱いに抗議するかの
ように痙攣を繰り加えし、おびただしい量の愛液を垂れ流した。
秀樹は一息つきながら、濡れそぼった分身を眺めた。まだ耐える自信があっ
た。そのまま視線を、真下でひくつく女芯に転じた。
そこは物欲しそうに開いたり閉じたりしていた。酸素不足の水槽に入れられ
た金魚のようで、おかしくもあり、哀しくもあった。
再び自分の一物を見た。宙を睨んで、ブルルツ、ブルルツと震えている姿
も、見ようによっては滑稽だった。
気分が落ち着いたところで、今度はゆっくりと挿入した。すぐに女体が反応
し、裕美子が喘いだ。いかにも待ち焦がれていたような感じだ。女はみな同
じ、という彼流の信念は、いっそう揺るぎないものになった。
亀頭部分が周囲の陰唇を押し分けてゆっくり潜りこむと、奥からその分だけ
愛液が外にこぽれて、生臭い匂いを拡散させた。
愛液が多すぎるためか、ほどよい摩擦感とはいえない。それでも女陰全体の
締まりがいいので、窮屈な感じがする。まるで赤ん坊の手で握られているよ
うに、女陰全体がキュツ、キュツと締まる。
肉体が奥に進むにつれて、収縮運動のテンポが速まった。まるで女陰が、も
っと速くとせかしているようだ。
肉体の三分の二ほどが埋没したところで、秀樹はいきなり肉体を亀頭のくび
れまで引きあげた。
それがあまりに唐突だったので、裕美子は思わず
「あ、いやあっ!!!」
と呟いてしまった。全身が火に包まれたように熱くなった。とんでもないこ
とを言ってしまったと後悔した。しかし秀樹は気づかなかったように装い、
すぐにまた肉体を押しこんだ。
「ハーン……」
甘い声が裕美子の口をついて出た。だが、肉体の先端は最初のように、子
宮頚管まで届いてくれない。そこに不満が残ったが、たとえ三分の二程度と
はいえ、連続的な抽送運動が開始されると、いつしか裕美子は調子を合わせ
て腰をしやくりあげていた。
秀樹は抜き差しを繰りかえしながら、片手を乳首に、もう一方の手を、恥
毛の下で膨れきって息づくクリトリスに伸ばした。
一度に三ヵ所を攻められた裕美子は、急激に高まる性感におののき、あらぬ
声をあげて、しっかりと両足を秀樹の足のふくらはぎに絡ませ、より強い密
着痩を保とうとした。
その行為を、まだ冷静さを残している秀樹は見逃さなかった。裕美子の欲
求に応えるべく、肉体を一気に根元まで突き刺した。
「ひいいいっ!!!!」
悲鳴にも似た歓びの声に、秀樹の興奮もまた深まった。今までの意図的な冷
静さをかなぐり捨てて、荒々しく腰を使った。
焦らされた裕美子にとって、待望のときがやってきた。少年にすがりついた
ことさえ忘れ激しく腰をしやくった。全身に快感が走った。
久しく縁のなかった結合であったにもかかわらず、あの素敵な生々しい動き
を、未亡人の肉体は決して忘れていなかった。充血した性器のぶつかり合い
によって生じる淫らな音だけが、夕暮れの気配迫る保健室にこだました。
秀樹の律動は、理性を忘れさせるに充分なほど荒々しかった。
「あああっ、いい! いいの。すごく……」
喉の奥に押しこめていたよがり声が、こみあげる快感に、まるで封印を解か
れたかのように次々と飛びだした。そして声を出すことによって、裕美子の
性感はさらに高まる。それにつられて秀樹の性感覚も刺激され、最終的な絶
頂を求めてひた走るのだった。
「ああ駄目……どうしよう、イツちやうわ……いけない……もう許して」
裕美子の動きは、言葉とはまったく反対に、ますますせわしくなっていっ
た。
よし、もう一息だぞ……。
ピンク色に染めあげられた女校医の体を見おろしながら、秀樹はひたすら肉
棒で秘孔を掘り起こした。
裕美子の手先が逞しい腰肉を掴んだ。秀樹の噴出はすぐそこまできていた。
先に放出してしまっては、女の真の飲びの姿を見ることはできない。ここま
できて、軽蔑されるような結末を迎えたくはなかった。
腰骨が憚れだしていた。もう、ちょっとした刺激で、歓びのしるしが奔流と
なって噴きあげてくる状態だった。
「あああっ、イキそう!」
ついに裕美子が叫んだ。裕美子本人は、何を口走ったのかわかっていないよ
うだった。無意識の言葉だった。それだけに真実味があった。
急速に控肉が締まった。
「うううっ……」
秀樹は踏ん張った。
「どうしよう……イツちやいそう……ああああ、ああっ!!」
ひときわ大きく裕美子がわめいた。そのとき、秀樹にも限界が訪れた。
「出るぞ!!!」
ひと声唸って、肉棒は腔腰をはねかえすように、暗い洞穴のなかで振動し
た。すさまじいまでの射精だった。
衝撃が子宮頚管を震わせた。裕美子は、こんなに力強い衝撃は今まで一度も
経験したことがなかった。
この衝撃が引き金となって、裕美子は一挙に官能のまばゆい世界に引きこま
れた。
「イクわ、イク……ああああっ」
本能の叫び声が、暮色に染めかかった保健室にひときわ大きく響き渡った。
しばらくして、裕美子は興奮から醒めた。
[あっ……」
あわてて、体の上にのしかかっている秀樹を押しのけた。
さすがに二回も放出した後なので、秀樹は挑んでこなかった。男女の混合液
に濡れた陰茎をぶらぶら揺らして立ちあがると、脱ぎ捨ててある白衣で乱暴
に汚れを拭き取り、身支度をしてドアヘ行きかけた。
胸もとまで毛布を引きあげて小さくなっていた裕美子が、鋭い声を放った。
「待ちなさい」
振りかえった秀樹の表情には、戸感いの色が浮かんでいた。予想もしていな
かった怒りの声に、度胆を抜かれているようだった。
「私、警察に訴えます」
びっくりした少年の顔が、卑屈に歪んだ。
「……先生、自分の恥をさらすことになるんだぜ。本気でそんなことを言
ってるのかよ!」
馬鹿ばかしいといった表情のどこかに、一抹の不安の験りがあった。
「本気です。絶対に許せないわ。あなたを少年院に送ってやる!」
「…………」
秀樹は二の句がつげないといった顔をしながら近づいた。
裕美子は恐ろしさで身がすくむ思いのなか、ここで弱気になっては、またひ
どい仕打ちを受けるかもしれないと、不安を押し隠して相手を睨みつけた。
「そんなこと言うけどさ、先生だって声を出して歓んでいたじゃないか。
あれは合意したと同じじゃないのか」
「違うわ。私は恐ろしさで、わざと言っただけよ。あなたから、一刻も早
く離れたかっただけの」
言いながら裕美子白身、自分の言葉に説得力がないことに気づいていた。
私の言葉には、欺隔が満ち満ちている……。
けれども、強引に主張を押し通すしかないのだ。
「ともかく、力ずくで犯されたことは事実なんです。告訴します」
「いいさ、やってみろよ。おれは反論してやるさ。先生はおれに合わせて
腰を使い、イク、イクツて叫んだってな」
「ええ、いいですとも。私は全部、否定します」
「そんな馬鹿な……実際に、そうしたじゃないか」
「しません!」
断固として言い放つしかなかった。
秀樹は呆れた顔をした。卑屈な笑いは消えて、むしろ不安の色が淮んでい
た。
「世間の人は、どちらの言葉を信用すると思うの? 警察のお世話になっ
たことのあるあなたの言うことなんか、誰も信じないわ」
「…………」
秀樹は□を動かしたが、言葉にはならなかった。
さあ、出ていきなさい。私はこれから警察に行くわ。この部屋はこのままに
して。その衣類には、あなたの精液が付着している。私の体のなかにも……
何をぐずぐずしているの。
「出ていって!! それとも、私と一緒に警察へ出頭するつもり?」
秀樹は泣きだしそうな顔をした。
「待ってくれよ」
初めて秀樹の口から弱気な言葉が飛びだした。
裕美子はここが正念場とばかりに、せいいっぱい怖い表情をつくって、秀樹
を睨みすえた。
力ッとなった少年に、殺されるのではないかという不安もあった。
「先生、取引きしようよ」
おもねるような先大の声がした。
「何よ。言いなさい」
「おれ、もうしないよ。今日のことだって秘密にしておくから」
「だからなんなの?」
「だから、警察に訴えるのは、やめてくれよ」
裕美子は相手の顔を見つめた。見つめながら、どうしようかと考えた。簡
単に妥協してよいものかどうか。
「ね、先生……おれ、必ず約束を守るからさ。警察だけは……」
この時点で、裕美子は立場が完全に逆転したことを確信した。
「わかったわ……行きなさい」
秀樹は足早に出ていった。
ドッと疲労感が裕美子を包んだ。
帰り支度をしながら、秀樹の言ったことが正しいと思った。確かに感じたの
だ。久し
く遠ざかっていたセックスの快感に、裕美子は溺れたのだ。犯されるという
状況だったにもかかわらず、歓びの声をあげたのが不思議でならない。
考えてみれば、たった今、自分が経験したこととそっくり同じだ
ったのかもしれない。
女の体はそんなに弱いものなのか。女の意志とは、そんなにもろいものなの
か。
裕美子は、自分自身の肉体の内部に潜む女の本当の正体を思うと、これから
先も清く正しく生きることができるかどうか、大きな不安を抱かずにいられ
なかった。
〈終わり〉
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