- 01: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/19(木) 13:45
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「あっここですここです…」
案内された物件…特になんの変哲もない立派な佇まい。
今日から俺の新しい生活を助けてくれることになるだろうか。
「えっ随分立派じゃないですか!…」
「えぇ!当社と致しましても是非この物件ならお客様に満足頂けるかと思うのですが…
さぁどうぞ!中もこんなに広いんですよ」
玄関に入ってからぶわっ!といい景色に見舞われた。
景観は言うことなし、広さもかなり広くこの時は
こんなに好条件な物件があって良いものかと考えていた。
「どうです!?これで2LDKですよ!?是非決めていただきたい!」
「ええ…確かに…でもこんなにいい条件でなぜこの価格なのでしょう」
「そうですね…まず大学生の支援という部分もありますね
何回も売買されてきてるので相場的にこのような値段がつけられたのだと思います。
なにより2LDKで敷金2万5千円礼金0円管理費3000円は格安物件といっても過言ではないと思いますよ」
確かにそうだ。
こんな優良物件…逃したらもう次はないかもしれない。
そう思った俺はこの物件に決めた。
「ここにします!」
ありがとうございます
<省略されました> [全文を見る]
- 02: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/19(木) 14:00
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手続きを済ませてから
1週間後、俺は引越し業者に依頼し荷物を運んでもらった。
これからこの一人では広すぎる部屋と共に俺の大学生活が始まる。
高揚感と不安感が交錯したこの感情を俺は緊張と呼ぶことにした。
なにはともあれ、朝から晩まで動き回り少し眠気が増してきた。
その時だった!
今までなんも感じなかった部屋にピシッとなにかの視線を感じた。
しかしすぐにその気配は消え、俺は床に敷いたカーペットにさっそく眠りこけていた。
「ワカルノ…?ワカラナイノ?…」
夢をみているのか…頭の中を何かが囁いた。
透き通った声だった。
その声に聞き覚えはなく、姿も形も見えない。
分かるのは声の主が女だということだけだった。
目をさますとその声は消え、やはり夢の中だったかと
一つため息を吐いた。
このだだっ広い空間にいつまでも一人でいるのも
何か違うと感じ、俺は家を出た。
- 03: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/19(木) 14:37
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一人暮らしに重要なのはほどよい睡眠時間と規則正しい食生活。
母親に言われたことをしっかりと守る為に
俺は自炊の準備を始めた。炊飯器でお米を炊いてる合間に
スーパーへと繰り出した。
(挽肉…ピーマン…人参…豆腐…)
今日は中華でまとめようと考え、具材をカゴへ入れていく。
料理は自立する時に無理矢理母親に教え込まれた。
一人暮らしを懸念する母だからまともなものを教えて作って欲しいとのことだった。
早速立派なキッチンに向かい、料理を始める。
炊飯されたホカホカのお米と青椒肉絲・麻婆豆腐を作り
テーブルへと並べる。
主婦はこれを毎日のようにやると考えると
母親の偉大さが身に沁みた。
自分で作る料理の味は…合格とは言わないが及第点といったところだ。
これからはこれを毎日やるのだろうと考えると、
不安のほうが強かった。
- 04: 名前:名無しさん投稿日:2015/11/19(木) 17:12
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面白そう
続き希望
- 05: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/20(金) 13:46
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「はぁ…この家賃でこの広さはありがたいけど…
友達とかできなかったらちょっと広すぎるよなぁ…」
食後、俺は宙を見ながら横になった。
シーンとした空間が妙に嫌でテレビをつけてみた。
その広いリビングとは似つかわしく小さなテレビだ。
思えば今日初めてゆっくりと時間が流れてる気がする…
地上波の番組を横目でみながらボーッとしてると、
早速眠気が来たようでそのまま目を閉じた。
しかし俺がこのまま眠れることはなかったのだ………。
- 06: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/20(金) 13:47
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名無しさんありがとうございます。
頑張りますね
- 07: 名前:莉乃リーガー◆V/JpK37I投稿日:2015/11/20(金) 14:04
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22時…異変が起きた。
自分の家になったはずのこの場所がまるで何かに支配されたかのようなイヤな気配を纏った。
(はぁ…なんだよ…)
フッと力を抜いた次の瞬間、俺は確かに見た。
リビングの横のカーテンにもやがかった何かがいる。
(はぁ…マジかよ…)
目を細めていたから定かではないが、黒い点はそのままカーテンから消えた。
それと同時に俺の感じていた気配も無くなった。
「はぁ………」
俺は今起きたことにため息を出さざるを得なかった。
「なんか疲れた…ねるべ…」
その日は俺も忙しくかったから疲れていたんだ。そう言い聞かせ、ベッドへ向かった。
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