蒼すぎる海に
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01 ) Sky
[2013/09/24(火) 16:43]
少年の最期の夏、幼馴染と一緒に夏を謳歌する。

ひと夏の切なくも爽やかな恋の物語。


ヒロイン渡辺麻友

この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。

02 ) Sky
[2013/09/24(火) 16:45]
 水面に月光が揺れている。淡く、蒼く、海を染める。黒の中にほんのり光る青に溶ける。心も、体も。船のサーチライトが遠くに光る以外、ここには何もない。白いワンピースが大きく暗く、蒼い海に円を描く。
 彼はこの海に融けていった。幼い頃に患った小児がんが再発し、全身の至るところに転移、蝕んでいた長い日々。あの頃の麻友にしてやれることは、もう何一つ残されていなかった。滄海の懐に抱かれながら、彼は海に融けて
<省略> [全文]

03 ) Sky
[2013/09/24(火) 16:45]

 あれはもう、5年前だろうか。那覇東高校3年6組、教室の窓から楽しそうなおしゃべりを交わす女子生徒のグループ、走り回って先生に叱られる男子生徒の群れを、麻友はぼんやりと眺めていた。1時限目が終わったばかりだと言うのに、すでに蒸し暑い教室の熱気が制服のシャツに、グレーのスカートに纏わりついて気持ち悪い。机の上には現代国語の教科書にノートに、柔らかいコーラルピンクのペンケースが無造作に広げられていた。
<省略> [全文]

04 ) Sky
[2013/09/24(火) 16:47]
 放課後、授業を終えた達成感からにわかに活気付く教室で、麻友はかばんを手にした。今日も絶好調な那覇の太陽に小さくため息をつく。

「麻友」

机の右手に立っていたのは例の嶺井壮太だった。高校で初めて同じクラスになった3年生、同じ教室に入ってからも、それなりに自然に打ち解けていて、互いに呼び捨てで呼び合う昔ながらの仲は10年間変わらず健在だった。ちょっといじらしくて、かわいいところもあるのに、
<省略> [全文]

05 ) Sky
[2013/09/25(水) 18:18]

 学校を出てから、高校に通う際いつも通る、おもろまちの大通りを二人並んで歩いている。車が通りを行きかい、照り付ける沖縄の太陽じとりと睨み付けたら、あまりにまぶしくて、目を細めたら、少しよろけてしまった。途端、壮太の笑い声が聞こえた。

「何?」

「ごめん。やっぱりいつみても面白い人だね、麻友って」

昔からよく言われるのだが、何がどう面白いのか、麻友にはてんでわからなかった。軽く
<省略> [全文]

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