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- 01 ) たろう◆7BrHYfgs
- [2013/08/11(日) 22:26]
- 4月7日。
月曜日。
まだ、コートを脱ぐのはつらい春の朝。
町の中心部からやや外れた、小さな山の上の墓地。
宮崎信二は、京子が眠る墓石の前で、手を合わせていた。
早朝ということもあってか、信二以外の人は見受けられない。
音が少なく、その場所だけ静かに時が流れている。
微かにそそぐ朝日が、ぽつんと一人佇む信二を包み、それは京子の死を未だに引きずっている彼をいたわっているようであった。
<省略> [全文]
- 02 ) たろう◆7BrHYfgs
- [2013/08/11(日) 22:31]
- 坂口京子は、学校のマドンナのような存在だった。
白い肌に、スッと通った鼻筋。
小さく上品な口元に、決して大きくはないが、どこまでも透き通っているような瞳。
そして、さらりと肩口まで伸びた黒髪は、彼女の歩調に合わせて小さく揺れ、すれ違う男たちを虜にした。
そして、信二も彼女の虜になったうちの一人であった。
彼女を初めて見たときはそのあまりの美しさに固まってしまい、2回目に見たときには恋
<省略> [全文]
- 03 ) たろう◆7BrHYfgs
- [2013/08/11(日) 22:33]
- 信二は、墓を後にすると、そのままその足で学校へ向かった。
山の中腹にある小さな墓地から石段をゆっくりと降りていくと、町の中心を流れる川にぶつかる。
その川を下流に向かってまっすぐ進んでいけば、信二の通う高校だった。
信二が学校に着くと、1階の昇降口の所に人だかりができていた。
彼らはみな、真新しい、少し大きめの制服に身を包んでおり、どことなく顔立ちが幼い。
というのも、今日は信二の通
<省略> [全文]
- 04 ) たろう◆7BrHYfgs
- [2013/08/11(日) 22:34]
- 「おはよう。いつもより遅いじゃん。
うんこの切れでも悪かったか。」
信二が教室に入ってくるなり、智一が計体をいじりながら声を掛けた。
「詰まんねえこと言ってんじゃねえよ。」
信二はそう応えると、無造作に鞄を机の上に置き、智一を睨んだ。
智一は、信二が高校に入ってからできた友達だった。
痩せているのだが、無駄に背が高く、ひょろっとしていて、おまけに色白で、さらに銀縁の丸い
<省略> [全文]
- 05 ) たろう◆7BrHYfgs
- [2013/08/11(日) 22:34]
- どこの学校も、入学式にやることは変わらない。
副校長の開式のあいさつから始まり、上級生が校歌を歌い、校長先生がお祝いの言葉。
信二達も、クラスの列の中に混じり、順調に式が進んでいく様子を眺めていた。
式の流れに異変が生じたのは、新入生代表のあいさつのときだった。
毎年、新入生を代表してあいさつを述べる学生が選ばれる。
選ばれた生徒は、壇上に登り、上級生の前でスピーチをしなければならな
<省略> [全文]
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