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- 52: 名前:Ht-x-投稿日:2018/08/15(水) 04:32
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彼女の作った親子丼は正直に美味しかった。食べた瞬間に美味しいと言うと彼女は喜んでくれた。
家族以外にご飯を食べてもらったことは指折り数える程度だったらしく不安だったそうで、ホッとしてくれた。
食器は2人で片付けて少し共同作業みたいで楽しい。途中彼女はサナに折り返しの電話をした隙に残りの片付けは僕が勝手にやっておいた。
電話が終わった彼女はカーテンの隙間を開けて外の様子を確かめている。
「電車止まってるんだって」
そう呟いた彼女は薄い眉毛をしかめて心配な様子だ。
「もしかしてサナ帰って来れないの?」
「うん。モモの家に泊まるって」
モモって確かルームシェアで一緒に住む予定の子だよな。僕と電話した時もサナはモモって子の家にいたのか。
「明後日ね、モモ越してくるの」
「やっと3人揃うんだ。楽しみだね」
ここに僕の知らない人が生活に加わる。もうここにはあまり来れない気がした。
「瀬川くんは明日授業大丈夫?」
「どーなんだろう。電車が止まってるかどうかだね」
テレビを見ていても、ニュース速報で電車の運転見合わせの情報が常に流れている。
「ミナちゃんは明日は?」
「午前中は休講みたい。あとは明日の朝次第」
うちの大学は基本的に休講の連絡はギリギリにならないと出さない。彼女の大学はもう既に明日の連絡が出ている。学費と学力の差よりも、大学の本質の問題なのだろう。
「瀬川くんはどうするの?」
大学に行く行かないの話じゃない。彼女の問い掛けはこれからどうするかを尋ねている。
「サナがね、瀬川くん帰るのが大変だったらベッド使っていいよって」
「いや、それはまずいし。雨がマシになったら帰るよ」
本音は違う。帰りたくない。もう少し、彼女と一緒にいたい。
「それにさすがに二人っきりで泊まるのって、、、ミナちゃんが嫌でしょ」
僕は彼女のことが少しわかってきた。僕がこう言えば彼女が何と返答するか予知できていた。
ほら、寂しさと雷の音の響きにしゅんとした顔をしている。
「私は嫌じゃないよ。むしろ居てくれると安心する。怖いから、雷」
僕の存在を求めている。彼女は僕を弄んでいるのか。彼女がそう言えば僕はそれに従うだけ。
友達とよく語り合う話に似ている。男が女を手に入れる定番で言うところの確実にいけるやつだ。
でも何かが奥歯に挟まっている。
僕は今夜、ここに泊まることになった。サナのベッドで寝るのは流石にまずいので、リビングのソファーを使わせてもらうことになった。
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