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- 51: 名前:Ht-x-投稿日:2018/08/06(月) 12:15
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彼女がシャワーを浴びている。僕は落ち着かず、玄関で靴を乾かすために新聞紙を丸めて詰めて、平常心を保つ。
女の子のシャワーは長いと言うが、彼女はどれくらいで出てくるんだろう。サナのシャワーは昔からめちゃくちゃ長くて小一時間くらいだった。
そう言えばサナはこの豪雨の中を帰って来れるんだろうか。しばらく見るのを忘れていたスマホを見てみるとサナから着信が5件溜まっていた。普段なら掛け直さないが、今日だけは掛け直してみる。家におじゃましていることも伝えておきたい。電話をかけると呼び出し音も数秒ですぐに通話につながった。
「もしもし」と僕が口にしてすぐにサナが畳み掛ける。
「ケーゴー、みーたんに連絡繋がらへんねん!様子見てきてくれへん?」
「あ、、、ミナちゃんなら大丈夫。駅で一緒になって俺が家にお邪魔してる」
「そうなん!? 良かったー、雷ヤバくて帰れそうにないねん。みーたんに後でかけ直すように言っといて。てか、、、なんかケーゴとみーたん最近一緒多くない?」
ドキッとする質問。サナにはまだ知られたくなかった。バレたくない。僕が彼女を好きになったことを。
「たまたまだよ。別に何も無いよ」
「そっかー、みーたんに手出したらアカンで!案外押しに弱いんやから」
「はいはい。わかりましたよー」
電話が終わり、僕は行き場なくリビングに戻ることに。彼女はまだシャワーを浴びている。テレビを勝手に着けるのもダメだと思い、椅子に座り部屋をキョロキョロ見渡した。
1人でリビングに居ると色々な細かな部分に目がいく。彼女の痕跡を眼球が探している。
閉ざされたカーテンを少しめくると、光と共に窓の外から雷の音が聞こえる。彼女が見たらまた腰を抜かすかもしれない。
打ち付ける雨音を聴きながら彼女の戻りを気長に待つ。微かにドライヤーの音が聞こえる。もうすぐ彼女が戻ってくる。
僕はスマホを手に取って彼女に備えた。これで何かしら緊張を紛らわせることが出来る。
サナが余計なことを言うから、彼女との具体的な流れを考えてしまう。
そしてリビングに彼女がやってきた。先ほどと同じくラフな格好で、化粧が完全に落ちている。
僕の視線に気づいた彼女は手で顔ではなく眉毛だけを隠した。
「スッピン恥ずかしい」
彼女は笑う。彼女の目に僕はどんな男として写っている?
僕は気付いたら立ち上がっていた。彼女の方に向かって歩んでる。無意識だ。
僕の接近に彼女の照れ笑いが消えた。彼女の目の前まで詰め寄る。少し見下ろせば完璧な顔がそこにある。
好きだ。今言おう。僕は生唾を飲み込んだ。脳の指令が発される瞬間、ピーピーピーと音が鳴る。炊飯器が鳴ったんだ。
気まずい沈黙が起き、僕らは見つめ合っている。彼女の表情が堅くなった。
「ご飯炊けた!お腹空いたでしょ」
彼女はハッと表情を変えて僕から離れていった。彼女も僕を意識している。間違いなく、今の瞬間、僕らのあいだに何かがあった。
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