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- 49: 名前:Ht-x-投稿日:2018/07/31(火) 20:45
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マンションに着いた頃には靴の中までびしょ濡れだった。轟音がおさまり、彼女の上下する肩に濡れた髪の毛からポタポタと雫が滴り落ちる。
「ヤバかったね」
僕は額から伝う水気を腕で拭い彼女に息が上がっていることを隠して楽しげに言う。
「ごめん、、、私カミナリがちょっと苦手で」
彼女は恥ずかしさを隠せていない。エレベーターに乗ってからは着衣が濡れて肌にくっつく気持ち悪さと、笑いがこみあげてきそうな面白さを楽しんでいる。
とっさに掴んだ彼女の手。あの瞬間に僕は手応えと勇気を手に入れていた。
部屋の前につくと彼女は鍵を開けて「タオルを取ってくるから玄関で待ってて」と俊敏に動いてくれた。
僕は濡れたスニーカーの上に足を置き、靴下を脱いだ。
彼女からタオルを受け取り髪の毛と顔を一目散に拭く。彼女もタオルで髪の毛を拭いている。艶やかな肌の変化とチラリと見えた脇に目を背ける。
「服着替えないと風邪ひいちゃうから、どうしよう」
彼女もずぶ濡れのままだ。室内に入ると雨で濡れた身体が徐々に冷えていく。
「おれ、このまま帰るから大丈夫だよ」
足元に食材の入ったスーパーの袋を置いた。寂しそうにカサッと音が鳴る。
彼女がまた今度と言うのを待つ。神妙な表情の彼女は、わざわざここまで来てもらったから申し訳ないのか、単純に帰って欲しくないようにも見える。
「着替えあると思うから、シャワー使って。そのままやと、瀬川くん風邪ひいちゃうよ」
「大丈夫大丈夫! さすがにそれは悪いし」
彼女の説角の言葉を僕は遠慮してしまった。めちゃくちゃ嬉しいけど、どこか恐れていた。彼女との距離が確実に近くなるからだ。そうなったら、歯止めを効かせる自信が無い。
僕は玄関を開けた。さっきと変わらぬ雨音が聞こえる。彼女と一緒に居たい。好きだと言いたい。でも今日は天候にも雷にも恵まれてない。
玄関から半分身を乗り出した時だった。大地が割れたような轟音と重低音が見えた。音が見えることってあるんだ。
雷がかなり近くに落ちたようだ。今まで聞いたことのない音に僕は思わずたじろぐ。
そして背後から彼女の悲鳴が聞こえた。振り向くと彼女はしゃがみこんで耳を塞いでいる。
とっさのことに僕は中に戻り玄関を閉めた。
「今のは近かったね、、、」
マジでビビった。腰が抜けるかと思った。彼女は腰が抜けてしまったようで、完全にダウンしている。
僕はしゃがみこんで彼女の顔色を確認した。雷に怯える彼女を見ていると、僕はたくましくなれた。
「瀬川くん、、、まだ居って」
彼女は涙目で僕に懇願する。僕は頷いて彼女が立てるようになるまで待った。
綺麗な脚の隙間から下着が微かに見えていたが、それよりも僕は彼女の瞳に見とれていた。
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