twiceエロ小説 |
- 47: 名前:Ht-x-投稿日:2018/07/29(日) 23:49
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彼女で最低なことをしてしまった。彼女に募り募る感情の中に、混ぜてはいけない虚しさを足してしまった。
大学の講義も彼女と出会ってからうわの空な日々。彼女のことを誰かに言いたい。彼女と僕のことを誰かに知って欲しい。
客観的に見られたら『叶わない片想い』だと、バッサリ斬り捨てて貰える。肌に残る彼女の感触が恋しい。
大学の講義で一日がみっちり終わると無駄な時間を過ごしてしまったといつも後悔する。
オマケに天気予報通りの大雨だ。折り畳み傘を広げて、音楽をイヤフォンで聞きながら駅まで歩く。音楽の選曲も切ないものが聞きたくなっている。
学生達で混み合うホームで彼女に似た人を探す。髪型が似ている子がちらほらいるが、似ても似つかない。彼女の美しさに勝てる生徒はうちの大学にはいない。
電車に乗ってつり革に掴まり、真横に立っている40歳くらいのサラリーマンを見て、自分もいつかこうなるのかと思うとため息が出た。
僕は俯いて目を閉じ、現実を閉ざした。
昨日のことを思い出すと、幸せな気持ちになれた。悲しくもあるけど、彼女の新しい一面をまた見れたんだ。まさか下着姿まで見れるとは思わなかったけど。
回想にふける僕の左肩をポンポンと誰かが叩いた。伏せていた顔を上げて目を開けると、回想に居たはずの彼女が笑いながら顔を覗かせていた。
ミナちゃんだ!と、焦ってイヤフォンを耳から勢いよく外す。
「ビックリした、瀬川くんもこの線だったんだ」
ふとした場面で出会った彼女はいつもよりテンションが明るかった。突然の事でまだ僕は言葉を発せる状態じゃなかった。
一昨日の妖艶なドレス姿と一変して、今日の彼女の服装はガーリーで可愛らしい。
「ミナちゃんも?」
「今日は雨だから、いつもは1駅2駅歩くの」
「いつも歩いてるの?スゴいね、健康的じゃん」
雨が降って喜べたのは、中2の時にマラソン大会が雨で中止になった時以来だ。
彼女が僕の隣に居る。周囲の人の視線が彼女に集まるのを感じる。彼女と僕を見ているんだ。同じゼミの女子達が離れた場所でこっちを見て何か話している。
「瀬川くん○○大だったから、何度もすれ違ってたかも」
「ミナちゃんとすれ違ってたら、覚えてるよ絶対。それより御両親はどうだった?何か言ってた?」
「瀬川くんのこと大絶賛してたよ。結婚の話もお父さんずぅとしてて、、、ほんまに、ありがとう」
彼女のことを諦めたい。
でも、この笑顔を見てしまった。この声を聞いてしまった。
引き返せない感情が爆発しようとしている。
「それは良かったのかな、、、でも服ももらった俺こそお礼を言わないと」
電車の窓についた雨粒が流れていく。何かもっと話すべきことがあるはず。無常にも列車は定刻通りに進む。
同じ駅に着いて僕達は別々の出口だ。何か、何かこうどうしないと。
「ミナちゃん、今日ってか、これから暇?」
「え、うん。特に何も無いけど、、、でも、家に居ないと行けないの」
押せ押せ押せ、と引き返せない感情が後押しする。
「じゃあ、俺も家に行くのは? サナにも来いって言われてたし」
彼女が悩みだした。
まずいことを言ってしまった。女の子の家に無理矢理行こうとする男がモテるわけながない。
うーん、と彼女は真剣に悩んでいる。悩み終わった彼女は思いついたような表情を見せた。
「瀬川くんは何が好き?お礼も兼ねてご飯作りたい」
彼女の人間性がたまらなく好きになる。彼女も一昨日のお礼がしたかったようで、僕の下心丸出しのお願いを聞き入れてくれた。彼女の手料理を食べれる喜び。
僕は告白するなら今日しかないと確信した。
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