ヒーロー |
- 01: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/02(月) 07:41
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いつもと変わらない日常。
つまらない毎日。
俺はまだ17年しか生きてないってのにこの世界に飽きていた。
俺の中は空っぽ。
いつから笑っていないだろう。
そんな俺に1人の女が救いにきてくれた。
小嶋陽菜。彼女は俺のヒーローだ。
- 02: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/02(月) 08:00
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始まりは夏。
俺がもっとも嫌ってた夏。
海まで徒歩8分の自宅。決して都会と呼べる場所に住んではいなかった。
ピピピと鳴る目覚まし時計の音に起こされ、俺はむくりと起き上がり、洗面所へと向かった。
ボーッとしながら鏡を見ると段々自分の影が薄くなるように感じる。
今俺が死んでも誰も気付かねーんだろうなとか、今思えばバカみたいなことをずっと考えてた。
「おはよう、直人」
母は最近、俺に目も合わさずに挨拶するようになった。
別に気にしないけど。
「おはよう」
俺も素っ気なく返す。
言い忘れてた。俺の名前は橘直人。
自転車で五分だから。という理由で平凡な高校へ通う。
今日もサーフボードを積んだ自転車とすれ違いながら俺は高校へと向かった。
朝にも関わらず太陽がジリジリと俺の肌を焼く。蝉がうるさく鳴き叫び、歩く俺をさらに暑くさせた。
はあ、今日も学校か。
毎回、校舎の前に立つとため息が漏れ出る。
校舎に取り付けられた時計を見るとHR開始の5分前。
いつも通りの時間に着いた。
学校にも蝉はいる。
うるさく鳴き叫んでる。
あれ?でもおかしいな。
<省略されました> [全文を見る]
- 03: 名前:名無しさん投稿日:2013/09/02(月) 21:28
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いって…
真っ暗な世界に激痛が突然走る。
俺はその痛みに耐えながらゆっくりと身体を起こした。
「あら、起きたの?」
頭を抑え、ボーッとしている俺に白衣を着た女が声をかける。
名前は確か柏木由紀だったかな?
そして俺は柏木先生の姿を見てここが保健室だと知った。
そうだ…俺はあのあと気絶したのか…。久しぶりにあんな叫び声あげたな…。
「あの…俺はどれぐらい寝てたんですか?」
俺の質問に柏木先生はペンを握りしめていた手を緩め、俺と向き合ってくれた。
教師達の中でこうして俺と向き合うやつは珍しい。
俺はいつも返事が素っ気ないから…。
「んー、そうね。大体30分ぐらいかしら?」
「そうですか」
「頭、大丈夫?一応冷やしてはおいたんだけど…。あら、でもたんこぶが酷いわね」
俺の返事を待たずに先生は俺の頭を指差す。
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