出会い |
- 01: 名前:名無しさん投稿日:2014/05/23(金) 13:10
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その日、ネットで知り合いになった女子高生から、待ち合わせ場所と日時の書かれたメールが送られて来た。
以前から逢いたいという彼女の想いは知っていたが、所帯持ちでもあるボクはそれとなくかわしてきていた。
なぜ彼女が冴えない中年男のボクなんかに御執心なのか、どう考えても理解ができない。ボクもサイトは運営
してはいるが日々の雑文を書き流す程度だ。アクセス数も僅かだし取り立てて注目されるサイトではない。
そもそも高校生の彼女の方こそ、文章もイラストも魅力的で才気溢れるサイトを運営していた。ボクは彼女が
欲しいものなど一切持ち合わせていない筈だと思っていた。情けないことに、それだけは確信がもてた。
待ち合わせ場所の喫茶店をネットで検索したボクは、女子高生の思惑が薄っすらとわかったような気がした。
環状線の駅から伸びる緩やかな坂道に続く路地沿いの一軒。その喫茶店は、ラブホテル街の一角にあった。
遠方から上京してきた少女を独りで待たせておくには、真昼間とはいえ些(いささ)か危険な場所であった。
分別ある大人同士の付き合いとは違う気がした。正直なところ、会わぬ方がいいと思って
<省略されました> [全文を見る]
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